いっそ他社と手を組んだら?

焦点:ノキア、人員削減で凋落加速の恐れ
フィンランドの携帯電話大手ノキア<NOK1V.HE>は14日、全世界で1万人の人員を削減する計画を発表した。スティーブン・エロップ最高経営責任者(CEO)の就任から1年9カ月で、同社は従業員の3分の1相当を減らしてきた。
そして今回の削減対象には、技術革新の主力となる研究開発チームの人員も含まれており、エロップCEOは同社の凋落を食い止めるというよりも加速させてしまいかねない。
アナリストの間でも、リストラ費用がノキアのキャッシュポジションをさらに圧迫し、米マイクロソフト<MSFT.O>の基本ソフト(OS)「ウインドウズフォン」を搭載した新型のスマートフォン(多機能携帯電話)「ルミア」シリーズの販売を上向かせるにはほとんど効果がないのではないかとの懸念が出ている。ルミアの不振は、ノキアにとって最大の問題だとの見方が多い。
デンマークコンサルタント会社ストランド・コンサルトの創設者であるジョン・ストランド氏は「エロップ氏はコストを削減して奇跡を期待しているが、ノキアが死刑を言い渡されている状況に変わりないようだ」と語った。
ノキアスマートフォン対応で米アップル<AAPL.O>やグーグル <GOOG.O>、韓国のサムスン電子<AAPL.O>などに後れを取っているだけでなく、より安価な従来型の携帯電話でも市場シェアを失っている。
ノキアの「ルミア」シリーズは、一部の良い評価を得たものの、消費者の間での評判は思わしくない。アナリストやブランド専門家は、ノキアが退勢を挽回するには、より画期的な新製品が必要だと指摘する。
英ミルワード・ブラウンのディレクター、ピーター・ウォルシュ氏は「人々はノキアに成功してもらいたがっており、ノキアというブランドが好きだ。ただ、好きになるには口実が必要で、その口実は製品だ」と話した。ノキアは、同社が先月発表したBrandZ「最も価値あるグローバルブランド上位100」に入らなかった。
大規模な研究開発を行い、強力な知的財産である特許を持っているにもかかわらず、ノキアは適切な製品の開発に苦労しており、最後のヒット製品であった「N95」シリーズが販売されたのは、アップルの「iPhone(アイフォーン)」の発売前だ。
ただ、エロップCEOは、製品発売の工程を速めることで功績を上げており、同氏がノキアを建て直せるとみるアナリストもいる。
またノキアは147年の歴史を通じて何度も瀕死の状態をくぐり抜けてきたことから、将来を楽観する向きもある。ノキアは1990年代初めのソ連崩壊に伴い、フィンランドソ連の間で行われていたうまみのある越境貿易が消滅し、経営が行き詰った。当時ノキアは、電子機器だけでなくゴム長靴やトイレットペーパーなどを生産していた。
当時のヨルマ・オリラCEOがノキアは携帯電話に焦点を絞るべきだと決めると、90年代の終わりまでにモトローラを追い抜き世界最大の携帯電話メーカーへと上り詰め、一躍ウォールストリートの寵児となった。
それでも、今回市場は再び奇跡が起こるとは見ていない。ノキアの株価は、エロップCEOがウインドウズへのシフトを発表した1年4カ月前から80%も下落している。15日には、大手格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが、人員削減がノキアのキャッシュポジションを予想以上に悪化させるとの懸念から、ノキアの債務格付けを「投機的」水準に引き下げた。同業のフィッチ・レーティングススタンダード・アンド・プアーズ(S&P)も既にノキアを投機的水準にしている。
15日時点でノキアクレジット・デフォルト・スワップCDS)の水準が示すデフォルト確率は54%。モルガン・スタンレーのアナリスト、エハッド・ゲルブラム氏はノキアにとって「キャッシュフローが現在の問題点だ」と述べた一方で、S&Pの株式調査部門アナリストはノキアの携帯電話の市場シェアがゼロになってしまう確率が30%あるとの見方を示した。
(ロイター - 6月18日(月)14時32分)

いっそ、ソニーモバイルと合弁企業化したらおもろいと思うのだが。