生きてるんだよ

<フィギュア>浅田 母に届けたノーミス演技
全日本選手権女子SP(24日)
悲しみをこらえ、浅田が入魂の演技を見せた。母匡子(きょうこ)さん(享年48)を9日に亡くしてから、初めての試合。天国の母を安心させるかのように、ほぼノーミスで滑り終えた。
練習で不調のトリプルアクセル(3回転半)は、先月のロシア杯に続いて回避し2回転半にした。「後の流れを良くできればいい」という狙い通り、伸びやかな滑りを披露。3−2回転連続ジャンプを決め、3種類のスピンとも最高のレベル4認定を得た。演技後はホッとしたような表情で「エレメンツ(要素)を練習通りできた」と振り返った。
練習場への送り迎えからコーチ選びまで、競技生活を長年支えてくれた匡子さんの死去から、まだ2週間ほど。この日の浅田は「滑る前は今までと違う緊張感があった」。練習は4日休んで13日に再開したが、心身とも万全な状態に仕上げるのは極めて難しいはず。その中で、ほぼ完璧に演技をこなした技術の高さと精神力の強さ。杉田秀男・元国際スケート連盟判定役員評定委員は「以前は滑りが縦蹴り気味だったが、今季はエッジに乗ってカーブに滑るからスピードが出る。(昨季から師事する)佐藤信夫コーチの教えが身に着いてきた。相当滑り込んできたから、大事な時期に少し休んでもカバーできた」と評価した。
首位の村上とはわずか0.16点差。浅田は「フリーにつながる滑りができた」と手応え十分だ。2年ぶりの優勝を、最愛の母にささげる。
毎日新聞 - 12月24日(土)20時41分)

きっと、見てるからさ。
人の思いは、科学じゃ割れないもんだし。