むしろ遅すぎた

16区間「維持困難」か JR、地元と協議目指す 鉄道事業見直し表明
北海道新聞 7月30日(土)7時0分)


宗谷線根室線富良野新得間が該当
JR北海道の島田修社長は29日、記者会見を開き、鉄道事業を抜本的に見直す方針を正式に表明した。秋までに「JR単独では維持困難な線区」を公表し、地元自治体との協議に入りたい考えだ。JRは具体名を明らかにしていないが、厳しい経営状況を踏まえて輸送密度2千人未満の線区を対象にするとみられ、この場合、宗谷線根室線富良野新得間など11路線16区間が該当する。JRは今回の提案を、国鉄分割民営化で会社が発足して以来の改革と位置付けており、道内鉄道網の見直しが一気に進む可能性もある。
JRでは先送りを続けてきた安全対策費や修繕費がかさみ、2017年3月期の経常損益は過去最悪の175億円の赤字になる見通し。その後も改善のめどがたたず、毎年180億円規模の赤字が予想される。長期の借入金も積み重なり、ピークの19年度には借入残高が1500億円に達する。
赤字の解消、借入金返済、トンネルや橋などの更新費用も含めると、少なくとも年間200億円程度の収支改善が必要になるとみられる。道内の輸送密度(1キロ当たりの1日平均輸送人員)を基に線区の収支を比較すると、2千人未満の線区の赤字額は計約200億円で、これが「単独での路線維持が困難な路線」の一つの目安となるもようだ。2千人未満は、国鉄改革の際も、優先的にバス転換の対象となった指標だった。
JRは対象線区を公表後、沿線自治体への経営状況の説明に着手し、線区ごとに協議会の設立などにつなげたい意向という。協議では、減便、運賃引き上げ、駅や鉄道施設を自治体などが保有しJRは運行に専念する「上下分離方式」など幅広い提案を行い、路線維持の可否を相談する。その上で、廃止に伴うバス転換なども検討する。
JRは大量かつ高速輸送に適した鉄道と、経路やダイヤを柔軟に変更できるバスの特長などを踏まえ「バス転換した方が、コストが少なく利便性も向上するところもあると考えられる」(島田社長)とみる。ただ、路線維持には地元負担が伴うことも予想され、市町村の多くが財政難にあえぐ中、住民の反発感情が高まれば協議が難航する地域が出ることも予想される。

鉄道でなければならないのかしら。