それは「上野駅」の終わり、でもある。

カシオペア最終列車が上野駅に到着「車窓からオリオン座…一生忘れない」 上野発の夜行列車の歴史に幕「鉄道史に残る節目」
産経新聞 3月21日(月)10時45分)



26日の北海道新幹線開業に伴い廃止される豪華寝台特急カシオペア」の最終列車が21日、最後の旅を終え、東京の“北の玄関口”JR上野駅に到着。約17年の歴史にピリオドを打った。「車窓から見えた星空は一生忘れられない」「本当にお疲れさま」。ホームでは大勢の鉄道ファンが出迎え有終の美を見守った。
「ぜいたくな時間でした。もう何も言えません」。午前9時25分、札幌駅を前日出発した上り最終列車が13番線ホームに到着。最終列車から降り立った大阪府池田市の岩田英さん(60)はカシオペアの旅を終え、こみ上げる気持ちを抑えきれない様子。横浜市栄区の主婦、前田史子さん(37)は「車窓からオリオン座と月が見えました。子供たちも一生忘れないと思います」と話した。
ホームでカシオペアを出迎えた福島県白河市の主婦、鈴木ゆり子さん(52)は「普段出会えない人たちとラウンジカーで知り合える。それがこの列車の魅力でした」と名残を惜しんだ。
ホームは鉄道ファンらでごった返し「ありがとう」「おつかれさま」と思い思いに書いたメッセージを掲げる人も。ファンの歓声とカメラのシャッター音が途絶えることはなかった。
鉄道ファンの東京都港区の中学1年、疋田琉宮(るく)さん(13)は「きょうは北の玄関口から夜行列車がなくなるという鉄道の歴史に残る節目の日。さびしいです」としみじみと語った。
カシオペアと同じ上野−札幌間を走っていた最後の寝台特急ブルートレイン北斗星」も昨年8月に運転を終了しており、昭和63年3月の青函トンネル開業以来、本州と北海道を結んできた寝台特急は姿を消した。と同時に、「北の玄関口」の上野駅を出発する夜行列車も終焉を迎えた。
カシオペアは全室A個室寝台列車として開発され、平成11年7月にデビューした。食堂車やラウンジ車を連結。豪華な汽車旅が味わえると人気を博したが、北海道新幹線の開業に伴い、青函トンネルを含む在来線との共用区間の電圧や運行システムが新幹線用に変更されることなどから廃止されることになった。

さよならは、とっくにすましてきたから何もいうまい。
お疲れさま。