しぶしぶ?

MLBイチローは「世界的な野球の象徴」 契約はマーリンズに最適も本人には?
■米メディアが分析、超一流の職業倫理から“メンター”として期待も「毎日プレーできない」
ヤンキースからフリーエージェント(FA)となっていたイチロー外野手がマーリンズとの1年契約に合意したことを受け、米メディアが両者の視点から今回の契約を分析した。米テレビ局CBSスポーツ電子版が「マーリンズイチローはぴったりだが、イチローマーリンズはぴったりではない」との見出しで報じている。
マーリンズと1年200万ドル(約2億4000万円)程度で契約合意に達したイチローだが、新天地には米スポーツ史上最高額で契約延長した25歳のスタントン、昨季はゴールドグラブ賞を受賞した23歳のイエリック、23本塁打を放った24歳のオズナとメジャーNO.1の評価を受ける外野陣が揃っており、レギュラー起用の可能性は極めて低い。しかし、3人以外の外野手は層が薄く、チームがイチローを獲得した理由にはそこにあるというのが大方の見方だ。
イチローはベンチから代打、代走、守備固めとして出場することができる左打ちでベテランの外野4番手として、マイアミのロースターにとても良くフィットする。イチローヤンキースでの昨シーズン、週に1、2回といった限定起用では本領を発揮したが、レギュラー起用の時は違った。単純に言って、41歳になってイチローはもう毎日プレーできなくなった。それはマーリンズにとって良いことだ。マーリンズは彼に毎日プレーすることは望んでいないのだから」
記事では、現在のイチローの力などについて、厳しく分析している。また、4番手の外野手としての役割の他に、職業倫理や日々の準備が超一流であるイチローには、チームの若手に良い効果をもたらす“メンター”としての役割も求めているという。加えて、日本人初のマーリンズ選手であることも、試合中継の視聴率の向上とスタジアムの来場客数の増加に一役買うと指摘されている。
イチローはチームの外野4番手でしかないかもしれないが、未だ彼は世界的な野球の象徴であり、マーリンズはついにフロリダや海外にいる日本人ファン層への接触が可能となったことを忘れてはならない」
このように、マーリンズにとってイチローの加入はとても良い補強になったと分析している。
■「イチローはすでにクーパーズタウン行きのチケットを手にしている」
一方で、イチローサイドのメリットはあまりないという。具体的には、イチローが「ワールドシリーズでの勝利を欲した上でマーリンズがそれに相応しいと感じた場合」か、「今オフに思うようにメジャー球団から興味を引くことができず、限られた選択肢の1つを選んだか」のどちらかでないと、マーリンズとの契約には至らないはずだというのが、記事での考察だ。
イチローは今季までに日米通算4122安打をマークし、ピート・ローズ氏が持つ歴代最多安打記録まで134本に迫っている。米国だけでも通算2844安打で、3000安打までも156本と記録の更新に期待がかかる。しかし、1年で双方を達成するためには最低でもレギュラーで戦える環境が不可欠であり、それ以外の起用法であれば2年以上がかかる可能性が高い。
「彼はただ(3000本安打達成のことは)気にしていないのかもしれない。彼はすでに(米国野球殿堂のある)クーパーズタウン行きのチケットを手にしているのだ。仮にもし気にしてないならば、(この契約は)彼にとっても成功だった。そうでないなら、選手・イチローにとってマーリンズ加入は意味をなさない」
記事はこう締めくくられている。これまでの活躍や野球への心構えから“メンター”としての素質にも高い評価を与えられながらも、現時点では選手として厳しい評価を突き付けられたイチロー。その胸中は今のところ明かされていないが、数々の偉業を成し遂げてきた天才打者は、新天地で迎える新シーズンにも万全の準備を整え、自信を持って臨むはず。昨季もヤンキースで開幕前に厳しい立場に置かれながら、実力で出番を勝ち取っていったベテランは控え外野手としてスタートするシーズンで、どんな逆襲劇を見せてくれるのだろうか。
(Full-Count 1月26日(月)7時26分)

二年後には日本でプレーしている気がしてきた・・。