完全引退ではない

通勤電車引退ツアーが満員御礼 人気の理由は焦げた臭い?
東武ユーザーにはおなじみの臭い?
2015年1月、東武東上線の池袋〜小川町間から8000系という車両が引退します。これに伴い1月17日(土)、引退する8000系電車を使った「ありがとう8000系 8175+8506編成 Finalツアー」が実施されることになりました。料金は大人4500円、子供3500円で、定員は400名です。
この東武8000系という車両は窓と並行にロングシートが並ぶ、鉄道に対して特に関心のない人から見れば、どこにでもあるようなごく普通の通勤電車です。
そうしたいつも乗っているような通勤電車に土曜日、わざわざ何千円も払って乗るのだろうか、と思うかもしれません。しかし12月24日のツアー募集開始から5日後、12月29日に満員御礼。募集が締め切られてしまいました。
もちろんこのツアー、ただ東武8000系に乗るだけではなく、森林公園検修区(埼玉県滑川町)で車両撮影会や鉄道部品の販売が行われたり、東武博物館の花上名誉館長というその世界で高名な方によるトークショーがあったり、記念弁当や記念品がプレゼントされるという特典もあります。しかしそれ以前に、一見ごく普通の通勤電車に見えるかもしれませんが、鉄道ファンのあいだではなかなかに存在感がある車両なのです。
その理由のひとつとして、東上線はもとより、東武ユーザーなら多くの方が感じたことのあるだろうものがあります。車両から時折漂ってくる「焦げたような臭い」です。
■車両から漂う焦げ臭さの正体
東武8000系に乗っていると駅に停車した際、焦げたような臭いを感じることがあります。とはいえ、トラブルが発生したわけではありません。
この東武8000系が搭載しているブレーキは、車輪のレール接触面をブレーキシューで押さえつけて回転力を落とす「踏面ブレーキ」というものです。この踏面ブレーキが作動したとき、車輪とこすれ熱せられたブレーキシューから焦げたような臭いが漂ってくることがあるのです。
東武8000系は1963(昭和38)年に登場し、東武各線で使用されてきた車両であるため、東上線ユーザー以外にもその臭いをかいだことのある人は多いと思います。決してよい香りではないかもしれませんが、その臭いは東武8000系の特徴として鉄道ファンに知られており、よくある通勤電車ながら存在感が少なくないのです。その臭い、いや香りがたまらん、という人もいるとか。
ちなみに東武30000系電車(1997年登場)や山手線のE231系500番台(2002年登場)といった近年の電車では、物理的に車輪などを押さえつけることなく、搭載しているモーターを使って車輪の回転力を落とす「純電気ブレーキ(全電気ブレーキ)」だけで停車することが可能です。
また東武8000系は1963年からおよそ20年間も製造が続けられたこと、製造両数が712両と私鉄で最多であることもポイントです。国鉄が同様に1963年から約20年間にわたって3447両という、同形式車両の製造両数では日本一の数を製作した103系通勤形電車になぞらえ、東武8000系は「私鉄の103系」と呼ばれることも。その臭い以外にも鉄道趣味、鉄道史的には重要な車両なのです。
乗りものニュース 12月30日(火)11時9分)

と、言いつつ、支線での運用はまだ残るそうで。
完全引退じゃないから、まだ写真を撮るなら今のうち・・・って感じですかね。