その情報は漏れている

Tカード、なぜポイント付かなくても出させる?ファミマの支離滅裂な回答の気味悪さ
−この連載企画『だから直接聞いてみた for ビジネス』では、知ってトクもしなければ、自慢もできない、だけど気になって眠れない、世にはびこる難問奇問(?)を、当事者である企業さんに直撃取材して解決します。今回は放送作家の山名宏和氏が、ファミリーマート利用時に聞かれる、あの質問にまつわる疑問に迫ります。−


【今回ご回答いただいた企業】
ファミリーマート
コンビニエンスストア大手のファミリーマート(以下ファミマ)で買い物をした時、カルチュア・コンビニエンス・クラブが展開する共通ポイントのTカードを持っているか確認する店員としない店員がいる。そして、Tカードを出した場合にも、現在使用可能なポイント数を教えてくれる店員とそうでない店員がいる。コンビニにはかなり細かな接客マニュアルがあるはずだが、どこまで決められているのだろうか。
しかし今回、直接聞いてみるギモンはそこではない。電気や水道といった公共料金をコンビニで支払うことがある。その時、しばしばTカードを持っているかと尋ねられることがあるのだ。僕のうろ覚えな記憶では、公共料金の支払いではポイントは付かないはずである。もし記憶が正しければ、なぜTカードを出させるのだろうか。カードリーダーにカードを通しているが、あれはなんのためにやっているのか。
●公共料金支払い時にTカードを出させる意味はない?
そこでファミマに直接聞いてみた。

「公共料金の支払いの時に、Tカードはあるかと聞かれたのですが、ポイントは付くのですか?」

担当者 申し訳ございません。公共料金のお支払いであればポイントは付きません。

−それでも店員さんがTカードを持っているか確認するのは、何か別のポイントが付くからなのでしょうか?

担当者 いえ、ポイントが付くことはありません。ご来店いただいたことを記録するためにカードを通すだけです。

−では、公共料金だけを支払う際には、Tカードを出しても意味がないということですか?

担当者 そうですね。お買い物いただいた際にカードを通すことで、ご利用記録が残ります。そのような実績を重ねていきますと、レシートの裏に割引クーポンなどを発行させていただく確率が上がります。機会を漏らすことがないように、会計時に常にTカードの有無を確認するように指導しております。

−クーポンは、来店するほど発行される確率が上がるということですか?

担当者 発行できるクーポンは、お客様でお選びいただくものではなく、何回ご来店いただいたら必ず発行するといった決まりもないため、具体的なご案内はできかねます。

−わかりました。ありがとうございます。


よく考えてみると、この担当者の言っていることは無茶苦茶だ。「来店の実績を重ねることで割引クーポンが発行される確率が上がる」と言っておきながら、「何回ご来店いただいたら発行するというものではない」とも言う。回数で決まるわけではないとしたら、「来店の実績」とはなんなのか。もしかして利用金額によるのだろうか。
結論としては、公共料金の支払い時にTカードを出しても、利用者にはメリットはない。
では、なぜ店員はTカードの有無を聞くのだろうか。来店記録という個人情報を収集するためか。それとも、店員指導が徹底しておらず、反射的に聞いてしまっているだけなのだろうか。
とりあえず僕は、公共料金の支払いの時は、聞かれてもTカードは持っていないと答えることにする。どこか曖昧なファミマの回答に、気味の悪さを感じたからである。
(Business Journal 12月25日(木)6時0分)

メリットにならないどころか、とんでもないデメリットが隠れているんじゃなかろうか。
気をつけたほうがいい。