そうだ、京都行こう

人気呼ぶ“京都婚”かつての40倍に…背景に晩婚化や海外のカップルも
伝統と歴史のある京都の寺社で和装の結婚式を挙げる“京都婚”が人気だ。古き良き「日本らしさ」を求め、国内のみならず海外のカップルからも注目を集めている。メジャーな観光スポットでなくても、すでに予約が取りにくい状況に。ウエディング業界の関係者からは「物理的に限界に近い状態」とうれしい悲鳴も上がっている。
◆かつての40倍に
10月上旬、京都市北区上賀茂神社。境内の楼門を前に神職から祝福を受ける新郎新婦の姿があった。
式を挙げたのは香川県在住の会社員、藤岡章太さん(27)。初めての白むくに笑顔をみせる新婦の千広さん(22)も京都出身ではない。
「日本人なので、せっかくなら和装で、と思っていた。自分が自分でないみたい」と照れる千広さん。上賀茂神社を選んだのは以前旅行で訪れたことがあったから。鮮やかな朱塗りの楼門や鳥居に引かれていたという。
京都での「和婚」を手がけている老舗「京鐘」(同市左京区)によると、京都婚はここ5年ほどで急激に増えた。有名な上賀茂神社下鴨神社平安神宮だけでなく、吉田神社(同市左京区)や岡崎神社(同)でも春と秋のブライダルシーズンは予約が取れない状況になっているという。
平成元年当時、上賀茂神社で式を挙げるカップルは年間で20組程度だった。それが昨年はその40倍近く、過去最高の約750組を数えたという。
◆落ち着き求めて
なぜ今、京都婚が増えているのか。その理由の一つとみられるのが近年の晩婚化だ。平成25年の人口動態調査によると、初婚の平均年齢は男性が30・9歳、女性が29・3歳で、年々遅くなる傾向にある。
京鐘の調査では和婚を行う女性の平均年齢は、キリスト教式などを選択する人と比べ、3歳ほど上回るケースが多い。派手さよりも荘厳さや落ち着きを追い求めた結果、京都婚にたどり着くようだ。出席者の高齢化に伴い、神前・仏前式の方が喜ばれるという分析もあるという。
ただ、全国的に神前・仏前式が増加しているわけではない。結婚情報誌「ゼクシィ」によると、和装の挙式は17年に統計を取り始めてからほぼ横ばい、全体の2割程度という。半数を占めるのはキリスト教式だ。
◆修学旅行効果?
京都特有ともいえる近年のブームについて、同市下京区の「ワタベウェディング」の担当者は「修学旅行や観光で、京都に縁や思い出を持っている人が多いため」と分析する。
実際、京都で式を挙げる半数以上は京都府外のカップルなのだという。人気は国内にとどまらず、京都婚を行う海外のカップルも増えている。
受け手となる神社側も挙式の増加を歓迎。「人生の節目ごとに神社がかかわっていけたら」と上賀茂神社の担当者。下鴨神社も「結婚式も神域の中で行う神事。神社が執り行うのはごく自然のこと」と話す。
産経新聞 10月29日(水)14時59分)

知ってる神社ばかりだ・・・