胃ができたよ

試験管内でミニ胃組織=ヒト万能細胞から初作製―米病院
ヒトの万能細胞を試験管内で約1カ月培養し、ミニサイズの立体的な胃組織を初めて作ったと、米シンシナティ小児病院医療センターなどの研究チームが29日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。この組織は直径約3ミリと小さいが、本物の胃のように粘膜などの複雑な多層構造を備える。
研究チームは内部に潰瘍やがんを引き起こすピロリ菌を注入し、反応を検証する実験も行った。この胃組織はがんをはじめ、さまざまな病気のモデルとして利用でき、新薬開発に役立つという。
不妊治療で余った体外受精卵から作る胚性幹細胞(ES細胞)や、皮膚などの細胞に遺伝子群を導入して作る人工多能性幹細胞(iPS細胞)からは、これまで腸や肝臓などのミニ組織を作ったとの報告がある。
今回の胃を含め、胎児段階の形成過程をまねる技術によって生み出されており、改善を重ねれば臓器の形成過程をほぼ完全に解明し、重い機能障害を伴う難病を治療する手掛かりが得られると期待される。 
時事通信 10月30日(木)3時2分)

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