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プルシェンコがクワンが!真央のフリー演技に世界の名スケーターたちが感動
真央の“最高の演技”に世界のスケーターたちが感動した! ソチ五輪フィギュアスケートの女子シングルでショートプログラム(SP)16位からフリーで6位に巻き返した浅田真央(23)にプルシェンコら有名スケーターたちからツイッターで賞賛の声が寄せられた。
前夜のSPではミスが重なり16位となった浅田。そんな彼女に対しツイッターでは世界中のファンがハッシュタグ「#GoMao」「MaoFight!」をつけ応援。さらに長野五輪男子シングル銀メダリストのエルビス・ストイコ長野五輪女子シングル銀メダリストのミシェル・クワンら海外の有名スケーターたちからもエールを送られた。
そんな応援に応えるように一夜明けたフリー。浅田は冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を成功させると計8度の3回転ジャンプをすべて決める完璧な演技。今季自己ベストの142・71点をマークし、集大成となる五輪を締めくくった。
大きすぎるSPのショックからの劇的な″復活”に対し、世界の名スケーターたちからは惜しみない賞賛がツイッター上で寄せられた。
“皇帝”エフゲニー・プルシェンコは「真央は素晴らしかった。トリプルアクセルは特に良かったよ。君は真の戦士だ」と前夜のミスを引きずらずトリプルアクセルを成功させた浅田を賞賛。また前夜のショートプログラムの際「ミスは残念だけど、このプログラムは大好き」と応援したバンクーバー五輪銅メダリストのジョアニー・ロシェット選手も「真央!なんてスケート!なんてファイターなの!」とミスをはねのけたハートの強さをたたえた。
演技後には感極まり涙を流した浅田。前夜のミスからの復活にこれまでのスケーティング人生の集大成。氷上では点数に表れない思いが伝わった。
クワンは「真央の姿に涙した。一生忘れない演技だった」。トリノ五輪男子フィギュア銅メダリストで、金メダリスト羽生結弦の振り付けを担当したジェフリー・バトルは「僕の目から涙がこぼれた。ありがとう真央。華麗だったよ」と感動をつづる。
10代のころから浅田と切磋琢磨してきた安藤美姫も「真央を誇りに思います。今夜の浅田真央こそが本当の彼女。ソチで彼女は自身のベストの演技をしました! ありがとう」とツイート。誰しもがその演技に胸を打たれた。
フリー終了後、世界中から寄せられたエールについて「昨日はすごく悔しい思いをして、心配してくださった方もたくさんいると思うんですけど、今日こうして自分の中で最高の演技をできたので、恩返しができたと思います」と語った浅田。その思いが世界中に届いたことは間違いない。
東スポWeb 2月21日(金)10時34分)

真央を立ち直らせた「どんなに辛くても、自分が浅田真央であることからは逃れられない」
万感のラストダンスだ!ショートプログラム(SP)16位の浅田真央(23)=中京大=は、フリーで自己ベストとなる142・71点をマークし、合計198・22点で6位入賞を果たした。銀メダルを獲得した10年バンクーバー五輪以降、苦労してきたトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を今季初めて完璧に成功。2大会連続のメダルは逃したが、2011年12月に亡くなった母匡子さん(享年48)とともに目指してきた最後の夢舞台で、最高の演技を天国に届けた。
誰もが待っていた浅田真央の姿だった。フィニッシュと同時に涙があふれ出る。嗚咽(おえつ)が漏れる口を左手で押さえ、気持ちを落ち着かせて周りを見渡すと、総立ちの観客から温かい拍手が降り注いでいた。涙が笑顔に変わる。それはいつもの、誰をも元気にする、お日様のような笑顔だった。
「今回、メダルという形を残すことはできなかったけど、自分の中で最高の演技ができたので良かった。支えてくれた方々に恩返しができたと思います」
SPの出遅れでメダルは絶望的な中、攻めに攻めた。転倒が続いていた“宝刀”トリプルアクセルを、こん身の力を振り絞って決めると、一気に勢いに乗った。バンクーバー五輪以降、佐藤信夫コーチの下で一から見直してきた全6種類の3回転ジャンプはわずかな回転不足もあったが、着氷し続けた。
ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」に命を吹き込むかのような力強い滑りで、リンクを駆け巡る。終盤は振り付けのタラソワ氏から「陸上100メートルの世界王者のように」と教えられてきた全身全霊のステップが、力強い軌跡を描いた。美しいスパイラルを終え、フィニッシュで右肘を思い切り天に突き上げた瞬間、すべての思いは昇華した。
前日のSPではジャンプすべてに失敗し、16位に沈んだ。「あんなに練習したのに、どうして」‐。気持ちは迷路に迷い込んだ。朝の練習後には涙も流した。出口はなかなか見つからない。それでも最後は自分を信じ、扉をこじ開けた。
バンクーバー後は全くトリプルアクセルが跳べなくなった。周囲の期待が重圧となり、期待に応えられない自分を責めた。スケートから離れようと思うことも増えた。ただ、どんな時でも最後は逃げずに立ち向かった。「どんなに辛くても、試合はやってくる。自分が浅田真央であることからは逃れられない」。そう自分に言い聞かせてきた。人生最高の大一番。最後の最後に真央が真央であることを証明した。
「最後の五輪」と位置づけた2度目の夢舞台。金メダルには届かなかった。それでも達成感、充実感が真央の体を駆け巡っていた。「やりきったという気持ち。4年間やって良かった」。誰よりも氷の上に立ち続けた。誰よりも転び、誰よりも跳んできた23歳のスケート人生のエピローグ。銀盤のヒロインはまぶしい笑顔で、夢舞台に別れを告げた。
(デイリースポーツ 2月22日(土)9時11分)

確かに「金メダル」はそのときのNo.1に授与されるものではあるが、メダルの価値さえふっ飛ばしてしまったこのときは、語り継がれるのもになるんじゃないかなぁ。