旅するカメラ、帰還。

落とし物カメラ「世界一周」=オーストリアから日本、独へ―拾い主女性の思い届く
オーストリアで拾われ、持ち主が分からないまま日本に持ち帰られたデジタルカメラが、再び海を越えて所有者のドイツ人女性の元に戻された。記念の写真が残されたカメラを、「何とかして返したい」という拾い主の日本人女性の思いが届き、ドイツの新聞、テレビでも「カメラが世界一周」と大きく報じられた。
カメラを拾ったのは和紙絵画工芸作家の川越外志恵さん(67)=石川県小松市=。作品を出展していた展覧会を見るため4月末にオーストリアを訪れ、ウィーン郊外を歩いていた際に、落とし物のカメラを見つけた。カメラには、外国人の結婚式や家族と思われる多数の写真データが。「絶対に返したい」。日本製だったため、メーカーに照会すれば持ち主が分かるのではと考えた。
しかし帰国後、メーカーからは、海外での販売先は特定できないと回答があった。オーストリア大使館などにも問い合わせたが、手掛かりは得られなかった。
5月に石川県警を訪れて事情を話すと、担当者が電話で同大使館に連絡し、カメラを送ることが決まった。それでも、大使館からは「まず見込みはない」と告げられた。
10月、川越さんの元に、大使館からうれしい手紙が届いた。ドイツ人女性にカメラを届けることができたことの報告で、副領事の「カメラが長い旅を経て、持ち主の手元に戻ったことをお伝えできるのが大きな喜び」という感謝の言葉が添えられていた。大使館員が知っている建物が偶然、写真データに残されていたことが手掛かりになったという。
「喜びの大きさは、カメラが届いた本人と同じくらい」と話す川越さんは、「砂漠でダイヤモンドを探すようなものだと思っていた。善意の絆がつながった」と、満面の笑みを浮かべた
時事通信 11月24日(日)15時23分)

すげえ話だな、これ。