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金本、小久保も届かなかった 打者の勲章「生涯3割」
今季限りで現役を引退した阪神の金本、広島の石井、ソフトバンクの小久保。3人とも2千安打の記録を打ち立てた偉大な打者だが、「生涯打率・3割」は達成できなかった。打率は打点や本塁打数と違い、打てなければ下がってしまうため、バッターの勲章といえる「3割」はシーズンでも達成は簡単ではなく、ましてや通算となると、さらに難しい。
今季終了時点で通算打率が3割の打者(NPBで基準とする4千打数以上)は24選手。トップは1970、80年代にロッテで活躍したリーで3割2分。今季プレーした選手は7人で、3割1分1厘の小笠原(巨人)が現役トップに立っている。金本は2割8分5厘、石井は2割8分2厘、小久保は2割7分3厘だった。金本はシーズン3割が8度、石井は4度あったが、レギュラーになる前や現役末期の低打率が響いた。
統一球の影響で全体的に打率が低い傾向にあり、現役はほとんどが打率を下げたが、今季3割1分1厘でリーグ2位の成績をおさめた中島(西武)は約1厘アップ。特筆すべきは前田智(広島)。代打中心ながら49打数16安打、3割2分7厘の高打率で成績をわずかながら上げた。
来季、大台からの転落の危機を迎えるのが松井稼楽天)だ。今季は402打数107安打、2割6分6厘だったが、来季仮に今季と同じ成績だったとすると、通算2割9分9厘になる。王(元巨人)は80年、本塁打を30本放ちながら、現役を退いたのは、生涯打率が3割1厘にまで下がり、現役を続けた場合、3割を割る可能性があったためともいわれている。打者にとって重みのある数字という証明で、松井稼の奮起が期待される。
また、内川(ソフトバンク)があと29打数で「規定打数」の4千打数に到達。今季終了時の通算打率は3割1分4厘で、このレベルを維持すれば、打撃の神様といわれた川上(元巨人)を抜いて歴代5位、現役トップに躍り出る。
イチローヤンキース)はオリックス時代、3619打数1278安打で3割5分3厘、青木(ブルワーズ)のヤクルト時代は3900打数1284安打で3割2分9厘。もし2人が日本球界に復帰し、4千打数に達すれば、リーの記録を抜くことになる。(プロ野球取材班)
産経新聞 - 11月30日(金)1時46分)

通算3割って、もっとクローズアップされてもいい気が。