つまりうるさいってことだ

騒音の影響でバッタの鳴き声が変化
最新の研究によると、往来の激しい都会の道路沿いに生息するバッタは、自動車の騒音に負けないように鳴き声を変えているという。
人に由来するさまざまな音は、鳥類やクジラ、カエルの鳴き声に影響を及ぼしている。どうやら昆虫も例外ではないようだ。
ドイツ、ビーレフェルト大学の生態学者ウルリケ・ランペ(Ulrike Lampe)氏の研究チームは、騒音が少ない静かな場所と交通量が多い道路脇から、ヒナバッタ(学名:Chorthippus biguttulus)のオスをそれぞれ94匹ずつ採集し、メスに近づけた。バッタは後脚を前翅にこすり合わせて約2秒間の求愛音を発するが、道路脇に生息するオスは低周波帯の音量を上げていた。
一方、静かな場所のオスには、そのような特徴は見られなかった。「低周波帯の音量が大きいと、音で呼応し合う求愛の儀式が妨害されにくい」とランペ氏は説明。「静かな実験室内でも違いが出たのだから、騒音に対する自発的な適応行動ではなく長期的影響だろう。つまり、うるさい場所が当たり前になってしまったのだ」と同氏は指摘する。
◆バッタが奏でる音楽
同様の進化が他の種でも起きているかは不明だ。建設現場や空港、駅などの騒音も、動物はうるさいと思っているのかもしれない。
ヒナバッタはヨーロッパ中部から北部にかけて分布し、大きさは1.5〜2センチ、緑と褐色や赤と紫など、体色が多様な昆虫だ。オスは後脚を前翅にすり合わせて広帯域の音を出す。求愛音の大部分は人の聴覚では感知できない。
「人間に聞き取りやすいのは中間域だが、非常に高い高周波音と、それよりも約1キロヘルツ(kHz)低い低周波音を発するバッタが2種類いれば、その違いを聞き分けることは可能だ」とランペ氏は話す。
今回の研究結果は、英生態学会British Ecological Society)発行の「Functional Ecology」誌オンライン版に11月14日付けで発表されている。
Jeremy Berlin for National Geographic News
ナショナルジオグラフィック式日本語サイト - 11月22日(木)20時4分)

人類こそいい迷惑ってやつでしょうか。