達郎さんのすごさを思い知れ

山下達郎、「クリスマス・イブ」で改めて狙う楽曲ヒット
山下達郎『OPUS 〜ALL TIME BEST 1975-2012〜』が好調だが、これから同アルバムにも収録される「クリスマス・イブ」を毎日のように耳にする季節が訪れる。ワーナーミュージック・ジャパン(WMJ社)ではこの曲を「新曲をリリースする時の気持ちで」新たにプロモーション展開。特に若年層に向け、山下達郎の魅力を訴求していく。
83年のアルバム『MELODIES』収録曲だった「クリスマス・イブ」は、シングルとしての再パッケージ化が何度か行われ、特に88年にJR東海CMソングとなってからはクリスマスソングのスタンダードとして定着。初音源化から6年6ヶ月が経過した89年12月に本誌シングル首位も獲得している。ランキングでは86年以降、12年(1/2付でランクイン)まで毎年11月から1月にかけてのランクインを続け、現在、「同一シングルによる連続TOP100入り年数」記録を「26年」(通算では28年)とし、歴代断トツのトップとなっている。
一方、同曲も収録されるオールタイムベストアルバム『OPUS 〜 ALL TIME BEST 1975-2012〜』は10/8付アルバム首位への初登場後、登場6週目となる11/12付でも4位の好位置をキープ。累計売上を47.5万枚としている。本誌10月22日号でもレポートしたように、購買層の核となっているのは40代以上の男性層だが、同作リリースに伴うプロモーションによる広がりは、30代、あるいは20代の男女にも及びつつあるという。
夏フェス「SWEET LOVE SHOWER」で山下のパフォーマンスを目の当たりにした若いオーディエンスの驚きが、ソーシャルメディアで拡散していく様など、「若い層で『達郎って、なんかすごそうだ』というバズが起こっている手応えを感じているところ」(WMJ社邦楽統括事業本部第3制作本部長・黒岩利之氏/以下同)だという。この流れをさらに加速させるべく、WMJ社では「クリスマス・イブ」をリードトラックとする、第2波とでもいうべきプロモーションを展開する。
「現在流通しているシングル「クリスマス・イブ」は03年に再パッケージ化されたもので、時代的にはタイアップが宣伝の主流でした。時代の変化とともに、特に20代あたりの若い層にとっては、このスタンダードナンバーが“新曲”として響くのではないかと考え、シングル及び『OPUS 〜』の購入に、一気に結びつけるための施策を展開します。」
■例年以上に、街が「クリスマス・イブ」一色に
具体的には、まず、11月中旬からを「クリスマス・イブ」のラジオ、有線におけるオンエア強化期間と位置づけ、『OPUS 〜』収録曲から同曲を筆頭に、バラード曲を収録したクリスマス特別サンプラーを作成。スペシャルシングルがリリースされたかのようなアイテムをラジオ、有線関係者に配布し、例年以上のオンエアを積み上げていく。店頭施策としては、11月20日以降に出荷される『OPUS 〜』を、上写真の通り、クリスマス仕様の期間限定パッケージとし、店頭用ポスターも同イメージで統一。シングル「クリスマス・イブ」等を含めたコーナー展開を強化する。
さらに、『OPUS 〜』のスポットCMも「クリスマス・イブ」が流れる左写真の通りのクリスマスバージョンとし、11月20日以降、集中的にオンエア。このスポットCMは渋谷駅頭など各地の街頭ビジョンでも流れる予定で、前述の有線等での施策と併せ、例年以上に街が「クリスマス・イブ」一色になる展開が図られる。スタンダードナンバーとして愛され続ける「クリスマス・イブ」に代表される山下の音楽同様、宣伝に対しても「変えないことの難しさ」と真剣に向き合い、『OPUS』発売時、「CDというパッケージメディアが機能しているうちにオールタイムベストをリリースしておきたい」と語った山下自身の姿勢を理解して守り続ける今回の一連の施策は、まさに今のWMJ社の姿勢をも表していると言えるだろう。(オリジナル コンフィデンスより)
オリコン - 11月18日(日)7時0分)

ベストもそうだけど、シュガーベイブ時代から追うと、あたらめてその本物ぶりが堪能できますね。