ある種の著作権争いのようだ

<シイタケ菌>違法コピー防止へDNA鑑定 鳥取の研究所
一般植物の「苗」に当たるシイタケの「種菌」が違法コピーされ転売されたと見られるケースが増えている。日本で開発したシイタケの品種が外国から無断で“逆輸入”されている可能性もあるという。こうした事態にストップをかけるため、「日本きのこセンター菌蕈(きんじん)研究所」(鳥取市)はシイタケの品種の同一性を調べるDNA型鑑定サービスを始めた。
シイタケには、「成長が速い」「暑さに強い」などさまざまな特徴を持つ品種があり、こうした種菌を開発した企業や個人は農林水産省に登録すれば、25年間独占的に販売できる「育成者権」を得られる。登録品種は既に約180種あるという。
問題となっているのは、購入した種菌を培養し、無断でコピーするケース。種菌に詳しい複数の関係者によると、市場に出回っているシイタケには、外観から無断コピーと推察されるものが増えているという。関係者らは「近隣国からの輸入ものは8割以上が無断コピーの可能性がある」と話す。
一度種菌を買ってしまえば、培養して完全なコピーを簡単に作ることができ、これを使って繰り返し同じシイタケを栽培できる。さらに、コピーした種菌を自分たちで開発したと偽って販売することもできるという。こうした行為は種苗法で禁止されているが、これまでコピーかどうかを鑑定することが難しかった。植物の品種保護に取り組んでいる種苗管理センター(茨城県)に昨年度までの7年間に寄せられたキノコ類の相談は15件と少ないが、「もめているケースは数えきれない」という。
菌蕈研究所(0857・51・8111)は被害拡大を防ごうと、7月にシイタケ菌のDNA型鑑定を開始。生のシイタケや種菌から培養した菌糸体のほか、干しシイタケでも鑑定が可能で、これまで数件の問い合わせがあったという。
全国食用種菌協会で技術顧問を務める福井陸夫さん(66)は「大学の医学部などでもDNA型鑑定は可能だが、係争に巻き込まれたくないと考えるところが多い。鑑定サービスの開始は業界の正常化を目指す上で頼もしい」と話している。
毎日新聞 - 8月27日(月)12時17分)

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