生きるサイクルの崩壊

珪藻付着で死滅 瀬底島近海のコモンサンゴ
沖縄工業高等専門学校の山城秀之教授と東京海洋大学の研究者らの共同研究チームはこのほど、海水温が下がると瀬底島近海に生息するコモンサンゴが、プランクトンの一種、珪藻(けいそう)に覆われて死んでしまうことを突き止めた。
珪藻が生きているサンゴに付着することを発見したのは世界で初めてという。研究成果は国際的な学術誌「サイエンティフィック・リポーツ」(電子版)に掲載された。
山城教授は2011年2月、本部町の瀬底島南東部の海域に生息するサンゴを調査中、生きているコモンサンゴに珪藻が付着しているのを発見した。死んだサンゴの骨格に付着する事例はあるが、生きているサンゴへの付着はこれまで報告されていなかった。
山城教授によると、11年1〜2月の沖縄の海域は、過去20年間で海水温が18度以下になる時間が最も長かった。このため、サンゴの皮膚に当たる軟組織が縮み、縮んだところから露出した骨格に珪藻が付着。珪藻がサンゴを覆うまで増殖すると、海水から酸素を取り入れることが困難となるため、サンゴは死んでしまうという。
瀬底島の南東部のある海域では、90群体のコモンサンゴの約8割に珪藻の付着が見られた。
この現象の報告は、瀬底島南東部の海域の事例のみ。なぜ、この海域でだけこの現象が見られるかについては現在調査中という。
山城教授は「(サンゴが死滅すれば)サンゴをすみかとする魚や貝は生息場所を失ってしまい、生態系に影響を与える」と指摘。その上で「コモンサンゴは太平洋とインド洋に多く見られ、珪藻は世界中の海に生息する。海水温が下がれば、今後、このような現象がどこで起きてもおかしくない」と述べた。
琉球新報 - 8月24日(金)11時5分)

いろんなところで、何かが、狂ってる。