のど元過ぎれば・・・

巣立ち1カ月 トキ「野生絶滅種」返上へ 環境省レッドリスト見直し検討
新潟県佐渡市で放鳥されているトキから誕生したひなが巣立ちしてから、25日で1カ月が経過する。36年ぶりに野生で孵化(ふか)したひなは3組のつがいから8羽おり、全て巣立ちを迎えた。今期の繁殖期はすでに終了したが、完全な野生定着に向けて大きな功績を残した。このため、環境省は絶滅の恐れがある野生生物のレッドリストで「野生絶滅種」に指定されているトキを1ランク下げ、「絶滅危惧IA類」への変更の検討を始めている。
トキのひなは5月25日、巣から隣の枝にピョンと飛び出し、巣立ちした。孵化から約40日後の出来事だった。その後、6月21日までに、残り7羽のひなが次々と巣立っていった。
巣立ちしたとはいえ、いまも親鳥と行動することが多い一方、田んぼにいるドジョウやザリガニなどを自力でとる姿も見られている。
中国では野生で巣立つ確率は約5割で、1年後にはその半数しか残らないとされるデータがあるが、最も警戒されていたテンやイタチなどの天敵も現れず、順調にすくすくと育っている。
ただ、ハプニングもあった。巣からバランスを崩すなどの理由で木から落ちて、1週間前後早く、偶発的に巣立ちしたひなもいた。
その後姿を消したため、環境省の長田啓首席自然保護官は「仮に生存していても元気な状態で確認される可能性は相当に低い」と“覚悟”していたが、5日後に元気な姿で発見されると、「野生のトキはたくましい」と感嘆した。
野生のトキの成長していく姿を見守り続けている環境省は、レッドリストを改訂する作業に着手している。
分類変更は5年に1度行われており、今年度が見直しの時期に該当する。「絶滅種」と評価されていたクニマスも生息が確認されており、今回の見直しの対象になっている。
環境省野生生物課によると、トキは平成10年度版のレッドデータに「野生絶滅種」と記載。15年には、最後の国産トキ「キン」が死に、人工飼育下での生存に移っていた。
トキが再指定される見込みとなっている「絶滅危惧IA類」には現在、コウノトリシマフクロウなど鳥類21種が属している。
【用語解説】レッドリスト…国内で絶滅の恐れがある3000種以上の動植物を分類したリスト。すでに絶滅した「絶滅種」、野生で絶滅し、人の飼育下で生存している「野生絶滅種」、絶滅の恐れが高い「絶滅危惧IA・B類」など8ランクに分類される。鳥類では評価対象約700種のうち約13%の92種が絶滅の恐れがあるとされる。野生絶滅種が野生復帰した例は珍しく、トキの分類が見直されれば、鳥類では初となる。
産経新聞 - 6月25日(月)7時55分)

返上したらまた逆戻り・・・なんて事態は避けたいですよね。