原発に依存しすぎなんだ

3電力で節電5%先行解除も 中部、北陸、中国 応援融通の要請分
政府が関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働に伴い検討している7月2日からの節電目標見直しで、中部、北陸、中国の3電力管内に要請している5%分を先行して解除する案が浮上していることが15日、分かった。関電は1基ずつ約3週間かけ再稼働させるため、供給力は2段階で上昇する。関電などへの応援融通のため要請している3電力管内の節電目標を7月中旬にも優先して緩和すれば負担軽減につながるが、西日本の電力不足は深刻で実現へのハードルは高い。
政府のエネルギー・環境会議は大飯原発再稼働の最終決定を踏まえ、来週にも今夏の節電目標修正の検討作業に着手する。
原発ゼロを前提としている現在の政府の節電目標では、単独では一昨年比20%程度の節電が必要になる関電管内の節電目標を15%に、九州電力も12%を10%に軽減した。不足分は、同じ周波数帯で3%以上の供給予備率を見込める中部、北陸、中国に5%以上の節電を要請し、計200万キロワット程度の融通で工面する。
関電が政府の最終判断を受け16日にも再稼働作業に着手すれば、3号機は最短で7月5日頃にも発電を再開し、118万キロワットを出力する。原発再稼働で夜間に余裕が出た電力で水をくみ上げ発電する揚水発電も約100万キロワットも加わり供給力は計約220万キロワット増え、3電力からの応援融通分をカバーできる。
ただ、節電目標の緩和について枝野幸男経済産業相は15日、「(原発が)トラブルなくスムーズに発電供給できる状況にならないと目標は変えられない」と慎重な考えを示した。緩和実施は、実現しても早くて7月中旬になりそうだ。
また、関電の供給力不足は、大飯3、4号機がともにフル稼働してやっとプラスマイナス・ゼロと綱渡りが続く。その供給力の中には3電力からの応援融通も一部織り込まれている。首相が「極めて厳しい」とした関電管内の15%の節電目標幅縮小を優先すべきだとの声もある。政府は緩和の順番や時期について難しい調整を迫られそうだ。
(フジサンケイ ビジネスアイ - 6月16日(土)8時15分)