真相はどこに

コラム:中国高速鉄道事故、「急ぎ過ぎ」による人災か
中国経済がソフトランディングするのか、それともハードランディングするのかが注目されている。実のところ、中国に必要なのは小休止。中国では、多くのことがあまりにも速く動いているといえるかもしれない。列車もまた例外ではない。
浙江省東部で23日に起きた高速鉄道追突事故では、少なくとも35人が死亡。急拡大している同国鉄道網の安全性について、あらためて懸念を生じさせている。
私の考えでは、今回の列車衝突事故は、高速鉄道網を構築したいという中国の大きな野望と取り組みに対してのみ疑念を抱かせるものではない。行政に対する国民の不満も増大させた。政治コメンテーターの中には、今回の事故は「偶発的な」事故ではなく、最終的には行政が責めを負うべき「人災」だという人もいる。
投資家にとっては、高速鉄道関連株をショートポジションにしておく時なのかもしれない。中国鉄道省は、不満を募らせている国民からの信頼を取り戻そうと躍起になっており、事故から24時間もたたないうちに、高速鉄道の最新技術は安全かつ先進的だと宣言した。
市場はすでに鉄道省の対応に反応しているようだ。中国の列車車両機器メーカーの株価は25日、最大16%下落した。一方で、多くの投資家が航空会社株に目を向け始めている。
中国企業は過去数カ月、さまざまな分野において、安全性と安定性をめぐり強まるプレッシャーにさらされてきた。
中国の食品会社は安全なのか。上場企業の財務諸表や業績は本当に額面通り安定しているのだろうか。
われわれが中国の「安全性」を口にするとき、それは単に交通の安全だけを問題にしているのではない。一番の問題は、中国が道徳的に安全かどうかということだ。
ニューヨークタイムズ紙は、ある中国人ブロガーの言葉を引用している。「中国よ、そんなに急いで飛んでいかないで。国民を、魂を、道徳を、良心を忘れないで。列車を脱線させないで。橋を崩壊させないで。道路を落とし穴にしないで。家を廃墟にしないで。自由と尊厳を持てるように、ゆっくり歩いて欲しい。誰1人時代に取り残されてはいけない」。


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(ロイター - 07月26日(火)17時50分)

注意事項もそのまま記載しましたが。
対外的にそう思われているという一端かな、と思う。
今の日本が他国のことは言えないけど、ちょっと前まで食の安全で騒いでいたし、納得する部分はありますね。