快挙であり、冬の時代

中京大中京・宮市 アーセナルと5年契約…ベンゲル監督ベタ惚れ
U―19日本代表FWで、愛知・中京大中京高3年の宮市亮(17)が、イングランド・プレミアリーグの名門アーセナルから来季入団の正式オファーを受けていたことが30日までに分かった。同チームのベンゲル監督が将来性にほれ込み、5年もの長期契約を提示。本人も近日中に入団同意書にサインする意向で、実現すればプレミアリーグと契約した初の高校生選手となる。
海外か国内かで進路が注目されていた宮市が、アーセナルから正式オファーを受けた。今月1〜13日に参加した同チームの練習でベンゲル監督から高く評価され、帰国の際は「ここがお前の家だ。早く戻ってこい。英語も勉強しておけ」と声をかけられたという。
宮市は183センチと大柄だが、高い技術と50メートル5秒台の快足から繰り出すドリブル突破が持ち味。身体能力で1対1の勝負ができる日本人離れした逸材で、ポルトガル代表MFのクリスチアーノ・ロナウドに似たタイプの選手だ。
今年1月にはドイツ・1FCケルンの練習に参加。今月中旬にはオランダ・アヤックスの練習にも合流。他にもイタリアのACミランや、本田圭佑が所属していたオランダのVVVも興味を示していた。国内では世代交代を図る鹿島や地元の名古屋がオファー。浦和も獲得に乗り出していた。最終的にはアヤックスとの争奪戦になっていたが、「向こうより必ず10ポンド多い(=高く評価する)金額を提示する」というアーセナル側の熱意に決意を固めた。
アーセナルは若手有望株を獲得して育成することを得意とする。16歳で契約し、スペインで腕を磨いたFWカルロス・ベラ(メキシコ)のように、他チームへのレンタルで成長させる可能性もある。関係者によると「ベンゲル監督がその筋道をつける」という。
正式な契約は18歳になる12月14日まで結べないため、近日中にサインするのは入団を同意する仮契約になる。アヤックスの練習中に左足を負傷したが、契約には問題ない。4年後のW杯で世界と戦う若き人材が、海の向こうで力をつける。


アーセナルFC 英ロンドン北部が拠点で、1886年創設。プレミアリーグ13度、FA杯10度、リーグ杯2度の優勝を誇り、05―06年シーズンには欧州チャンピオンズリーグ準優勝。本拠地は06―07年シーズンから使用するエミレーツ・スタジアム。愛称はガンナーズ(兵器工場の労働者が結成したことから)。ベンゲル監督は1996年就任。
◆宮市 亮(みやいち・りょう)1992年12月14日、名古屋市生まれ。17歳。サッカーを始めた小3から中3まで「シルフィードFC」でプレー。中京大中京高進学後は1年からレギュラーとして活躍。U―15から日本代表にも選出され、昨年10月末のU―17W杯では2試合に出場し、1アシストを記録。今年の全国高校選手権は初戦の2回戦で神村学園に2―10で大敗し、無得点だった。183センチ、70キロ。血液型O。家族は両親と弟。
(スポーツ報知 - 8月31日8時1分)

日本人選手が欧州のマーケットで目をつけられ始めている。
それは「通じる」という快挙でもあり、同時に、Jの各クラブ・・・たとえば鹿島アントラーズマンチェスターユナイテッドに勝たなければならない時代が来てしまったことを意味する。
試合にだけ勝てばいいわけじゃない。
マーケットでも。