らいおんはーと

君はテリーのプレーを見たか 一夜にして「愚か者」から「真のリーダー」に
1次リーグ突破を決めたスロベニア戦後、イタリア人のカペロ監督は「ついに私の知っているイングランドが帰ってきた」とまくしたてた。英メディアも興奮した。絶賛されたのは、DFジョン・テリーの闘志あふれる献身的プレーだった。不倫による主将解任、本番を迎えての監督批判、チーム崩壊の象徴でもあったテリーは一夜にしてこう激賞された。「ライオンハートイングランド代表の愛称)の真のリーダーだ」
前半にデフォーが奪った虎の子の1点を、イングランドはかろうじて守り切った。後半、スロベニアの怒涛の攻めに、テリーは立ちはだかった。ハンダノビッチのシュートを体を投げ出してのスライディングでブロックすると、リバウンドに詰めたデディッチのシュートの前に、今度は顔面からダイブした。しかもペナルティーエリア内でハンドは許されないため、両手を後ろに隠してのダイブだった。
テリーの思いは仲間にも伝わった。試合終了のホイッスルが鳴ると、ピッチ上には赤いジャージーに身を包んだイングランド選手の大きな輪ができた。その中心には「誇りを賭けて戦う」と90分駆けつづけた主将のジェラードと、そしてテリーがいた。ベンチに下がっていたルーニーも駆けつけ、確執が深刻になっていたカペロ監督もテリーと抱擁した。
2月、自身の不倫騒動で激怒したカペロ監督に腕のキャプテンマークをはく奪された。W杯本番を迎えても、この試合まで2引き分け。試合後会見での発言が監督批判と受け止められ、カペロはまた激怒した。英メディアはこぞって、「フランスと同じ道」と報じた。
フランス代表ではエースFWのアネルカドメネク監督を批判し、謝罪要求も拒否してチームを離脱した。主将のエブラもアネルカにつき、全選手が練習をボイコットする騒ぎとなった。結果、1次リーグで敗退し、エコノミークラスで帰国した。
イングランドがフランスとは違い、テリーがアネルカと違ったのは、監督の謝罪要求を受け入れたことだ。「行き過ぎた発言だった。いまは勝利のため、試合に集中したい」と語ったテリーは、スロベニア戦で戦い続けた。いつも口うるさい英メディアも、「テリーの勇気が味方を鼓舞した」「相手の最大のチャンスを防いだのはテリーだ」「偉大なリーダーシップ」と高評価を与えた。
試合後テリーは、「きょうの試合でイングランドが敗れていたら、私の心はズタズタになっていただろう」と語り、「われわれのワールドカップは今からが本番だ。帰国するなんてありえない。優勝するまでこの地に居続ける」と力強く続けた。
産経新聞 - 6月24日12時09分)

フランスがアフォだったがために、冷静になれたんじゃないかな・・・。