老朽化していることは確かだから

さだまさし「ホールは文化財。その認識が日本人にない」…厚生年金会館閉館に「バカモノ」
新宿の東京厚生年金会館が今月末で閉館し、49年の歴史に幕を閉じる。同会館で行われたコンサートは約1万4500回。最多173回のステージに立った歌手・さだまさし(57)は「もう二度と『ホーム』と呼べるホールは出てこない」と別れを惜しむ一方で、日本の文化行政を「バカモノ」と批判した。さだは28日に同所で公演。29日の松山千春が最後になる。
さだと東京厚生年金会館の出会いは1968年、中3のとき。加山雄三のコンサートを見て「ものすごく感動。まさか自分がそこで歌うとは思ってもいなかった」。フォークデュオ「グレープ」でデビューし、ソロ2年目の77年に「雨やどり」が大ヒット。同年6月、同会館でソロ初公演を行った。「当時は檜(ひのき)舞台。今の若い子たちが武道館で喜んでいるのと同じですよ」
通算公演3751回はソロ歌手最多だが、同会館では28日が174回目。何度も見に来てくれた長嶋茂雄氏(現巨人軍終身名誉監督)ら多くの人との出会いが会館で生まれた。「長嶋さんにとってみれば、後楽園球場がなくなるのと同じ感覚じゃないかな。自分の実家みたい。『帰ってきたな』と思わせるホールはもうつくれない」
魅力は音響の良さと、スタッフの心遣い。「ホールは文化財。その認識が日本人にない。どれだけの人が何に感動したか計算に入れていない。閉館には『バカモノ、何を考えているんだ』と言いたい」。最多の202公演を行った大阪・フェスティバルホールも解体、建て替え中だ。
厚生年金会館の鈴木久利支配人(60)は「さださんはいつも事務所にあいさつに来た。最後は会館に思いがある人に」と28日の公演を託した。ピアニストと2人だけでラスト公演に臨むさだは「キュンとしますね。ホールにお礼を言います。ひとりで、そーっとね」。出会いから42年。惜別の思いを“実家”にささげるつもりだ。


東京厚生年金会館 大ホール(当時2406席)にホテルや結婚式場などを併設した日本初の複合福祉施設として1961年に開館。改築を重ね現在は2062席。日本人初公演は森繁久彌さん(61年6月4日)。美空ひばりさんや吉永小百合ジェームス・ブラウンも。赤字補てんの税金投入の批判から、全国で廃止・民間売却が決まっている。本館はヨドバシカメラが120億円で落札しカメラ博物館などで利用予定。
(スポーツ報知 - 3月27日8時0分)

ある部分は正しいと思う。
日本は「文化行政」というより、国民自身がエンターテイメントの世界に理解がない。
その一方で、プロモーターが積極的にここを使っていただろうか?
東京国際フォーラムがあり、CCレモン(渋谷公会堂)があり、NHKがあり、Zepp Tokyoがあり。
東京に限っていえば、閉館は必然の流れだったようにも思う。