終わらない戦いの序章、幕

快挙にも、悲しかった銀=勝つために跳んだ浅田〔五輪・フィギュア〕
ショートプログラムで1度決めていたトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)をさらに2度成功させたのに、銀メダルだった。浅田真央中京大)は「やってきて良かったと思う」と言いながら泣いていた。女子で世界初の快挙。「誇りに思いたい」と言った顔は、むしろ悲しそうだった。
譲れない大技だからこそ偉業に挑んだ。1本目はきれいに着氷し、降りた瞬間に少しぐらついた2本目も、耐えて2回転トーループへ。3発3中。それでも金メダルの金妍児(韓国)に遠く及ばなかった。「(トリプル)アクセルを三つ、しっかり認定されたのは充実していたかな」。思い知らされた現実を正面から直視するのは、まだつらかった。
演技後半に珍しいミスをした。単発の3回転トーループを跳ぼうとしたら振り上げる足のかかとの刃が氷に引っ掛かり、思い切り跳べずに1回転になった。足にきていた。トリプルアクセルへの体力的、精神的な負担は否めなかった。
今季序盤は極度の不振に陥り、懸命に復活を目指してきた。大技を三つ決めて取った銀メダルには価値があるのではないか−。心情を察したそんな問いかけにも、すぐに言葉は出てこない。ようやく涙声をのみ込むように「でも悔しいです。はい」と答えた。純粋に、勝ちたかった。
五輪で宿敵に敗れた借りは、他の舞台では返せない。「この試合はもう終わってしまっている。このオリンピックという場所なので」。うまく気持ちを表せなかったが、かけがえのない地で勝てなかった悲しさは、伝わった。一つの大技より完成度の勝負だった。負担の大きいトリプルアクセルに精力を注いだ浅田が勝てる戦いではなかったのかもしれない。でも「すごく重たい」と感じた銀メダル。それを手にした戦いには、アスリートとして挑もうとした跡が、はっきりと刻まれた。 
時事通信社 - 2月26日 18:04)

<五輪フィギュア>大統領が祝電…韓国はヨナフィーバー
バンクーバー五輪女子フィギュアスケートで韓国の金妍児キム・ヨナ)選手が金メダルを獲得したのを受け、韓国では李明博(イ・ミョンバク)大統領が26日、直ちに祝電を送るなどヨナフィーバーが続いた。
青瓦台(大統領府)によると、李大統領は「これまで流した汗のしずくが、きょうの栄光に結実した」などとたたえた。金選手が昨年卒業した修理高校(京畿道軍浦市)の洪基栄(ホン・キヨン)教頭(54)は「よくやった。大韓民国の最高の日だ」と喜びを爆発させた。
聯合ニュースによると、証券取引所では金選手の演技の間は、その直前に比べ5分間当たりの株式取引変動量が約半分に落ち、終了後に急回復。「ディーラーたちも取引を中断して競技を見守っていた」との証券関係者の話を伝えた。
金選手は金メダル獲得の報奨金として政府などから6000万ウォン(約460万円)が支払われ、60年間の毎月の年金受給額も3倍以上の100万ウォン(約7万7000円)にアップする見通し。
また、米経済誌「フォーブス」は国民的人気の金選手が昨年、スポンサー契約で750万ドル(約6億7000万円)を得たと試算。26日付の朝鮮日報は、金選手が専属モデルを務めたり、ライセンス契約を結ぶブランドの商品の売り上げが、今月に入って軒並み急増したと伝えており、金メダルの獲得は金銭の面でも特大のボーナスを生みそうだ。
毎日新聞 - 2月26日 19:23)

それがオリンピックだ・・・ってことよね。
同時に、別にバンクーバーで引退するつもりじゃないでしょ、2人とも。
これから嫌というほど戦うんだから。
それだけのこと。