次は始まったんだ

真央、五輪初切符!復活完全V/フィギュア
フィギュアスケート全日本選手権最終日(27日、大阪なみはやドーム)真央、さぁ夢舞台へ! 来年2月のバンクーバー五輪代表の最終選考を兼ね、女子はショートプログラム(SP)で首位発進したエース浅田真央(19)=中京大=がフリーでもトップの得点を出し、完全V。大会4連覇を達成し、初の五輪代表を手にした。冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を成功させ、大きなミスなく演じ切った。4年前のトリノ五輪では国際スケート連盟(ISU)の年齢制限に87日足りず、出場できなかった悲願の五輪へ。ついに扉を開けた。
見ていられない。運命のとき。得点が表示されると、真央は目をギュッと閉じ、そして安どのため息をついた。
燃焼した演技が終わると、大歓声がわき起こった。包み込むような拍手を受け、瞳いっぱいに涙が浮かぶ。「本当にホッとした。いい演技で締めくくれてよかった…」。
夢舞台の扉を開く、フリー演技の冒頭。今季ここまで9度挑み、1度しか成功していないトリプルアクセルを決めた。ラフマニノフ前奏曲「鐘」の調べに乗ったジャンプをミスなく着氷。表現力を示す5項目すべてで8点台を出し、復活の鐘を高らかに鳴らした。
5位に沈み、号泣したロシア杯から2カ月。迷路から抜け出るためには、練習しかなかった。プログラムを改良し、トリプルアクセルを1日最低でも5〜10度跳ぶ過酷な練習に、体重が2キロも減った。今大会、師事するロシア人のタチアナ・タラソワコーチが来日できなかったなか、1人で不安と向き合った。
今季前、同コーチが真央に与えたテーマは『乗り越える』。試練の時を乗り越えようと、もがく真央に大会前、手紙が届いた。「信じているよ。頑張りなさい」。「ロシアの母」の温かい言葉が綴られたクリスマスカードに、胸が高鳴った。
家族にも感謝する。週1回の休日にもスケートのことが頭を離れない真央のために、同じフィギュア選手の姉・舞(21)が気分転換の買い物に連れ出してくれた。苦手のSPを乗り切った前夜には「最高だった。明日も大丈夫」とメールと電話で励ましてくれた。真央が初めて見た五輪は98年長野大会。15歳で金メダルを獲得したタラ・リピンスキー(米国)の演技をテレビで見て、舞と「いつか五輪に出よう」と無邪気に語り合った。そんな姉の思いも銀盤に刻んだ。
4年前のトリノ五輪は、年齢制限があって出場できなかった。あれから身長は5センチ伸び、強いハートも身につけた。五輪では同い年のライバル金妍児キム・ヨナ、19)=韓国=や安藤美姫(22)=トヨタ自動車=らと優勝を争う。「やっぱり(五輪も)金メダルがいいと思います」。出るだけではない。夢をかなえる五輪のリンクが、真央を手招きする。
サンケイスポーツ - 12月28日7時52分)

不運の天才はたくさんいますが、彼女がそうならなくてよかった。
この人、あまりにもスポットライトを浴びているのが似合いすぎてるんで・・・。