完全制覇した各地の感想(遅刻2回含む)

#1 11月28日(土) 福岡Yahoo! Japanドーム
始まる前にわかっていたことが3つ。
1 「オープニングは『ガチ』で行く」
2 「アルバム曲からはほとんどやらない」
3 多分、新曲が入ってくる
ガチの部分は、1曲目で「ああ、なるほどね・・・」と思ったが、極論を言えばドームツアーらしいのは頭の3曲でおしまい。
HANABI」は相変わらず気持ち悪いキーだし、予測に反してもうやらんだろうと思っていた「ロードムービー」(好きなんだけど)、「MONSTER」とか、思わずのけぞりたくなるようなマニアックな選曲に、「確か、これ、20周年的要素もある」って言ってませんでしたっけ?
しかも、この日の桜井和寿は人様にわからん程度にかりかりきていた。
それが、前半のモードと、後半の「丸いミスチル」との乖離現象を生んでしまい、結局何がやりたいのかさっぱりわからないまま呆然と見届けてしまった。
そして、その日の晩はホテルの一室で、解読できないまま深く悩み続けることになる・・・
ちなみに、「Drawing」は、博多座近くの那珂川を散歩していたときにできた曲だそうだが、「土手」と言っていたけど那珂川に土手なんかないじゃん!!!

#2 11月29日(日) 福岡Yahoo! Japanドーム
初日を見て、前のドームツアーと対比させると、実は驚くほどかぶっていることがわかる。
「LOVEはじめました」(前の1曲目)、「Dance Dance Dance」(前の2曲目)、「ニシエヒガシエ」(前の3曲目)、「Candy」(前の7曲目)、「Monster」(前の11曲目)、「Worlds end」(前の16曲目)、「and I Love you」(前の18曲目)。
さらに札幌でやった弾き語り「Simple」、東京ドームの「名もなき詩」まで含めたら24曲中実に9曲がかぶっている。
いい・悪いは別にして、かなり意図的にこのあたりの曲群を入れてきたのは読める。
だとしたら、後半曲群との折り合いはどうつけるのだろう?
初日は折り合いがつかないで完全にとっちらかった印象になってしまったぞ?
で、そのあたりはプロ。
前半曲群から若干力の入れ具合を変えることで、多少収束を見た。
ただ、「言いたいことは何?」とピントを合わせるまでには至らず。
あと、以前ほどの福岡という場所との相性の良さはあまり感じられなかった。
セットリストが難解すぎるせいか。

#3 12月5日(土) 札幌ドーム
土地柄か、どんな超絶ライブをやってもどことなく平和な空気が流れてしまっていたのが今までの札幌。
ただ、「HOME」の代替ツアーファイナル以降、どうも無意味に先鋭的な空気が流れて、ライブ見るには結構不向きな場所に変わっていって、一時期の名古屋を見ているような感じだった。
この日、妙に桜井和寿鈴木英哉のテンションが「意図的に」高く、結構いいライブだったのだが、ご当地感はまるでなし。
唯一、MCで雪のことに触れて、「でも僕らは東京の人だから」と言って実は突き放していたのが、ドSのミスチルらしくて個人的にはすごくよかったと思っていたり・・・(ひでえホメ方)

#4 12月10日(木) 京セラドーム大阪
定時まで仕事をしていたので、間に合ったのは「Simple」の前のMCから。
その前の段階を見ていないので断言はできないが、多分今回のツアーでもっとも絶好調な日だったのがこの日。
前半の凝った部分(曲的には自分のツボが並んでいる)をまったく見なかったのが幸いしたのか、これが実に面白かった。
「丸いミスチル」だけなもんだから、違和感があろうはずもなく。
ただ、「これ、ドームツアーだよな?アリーナツアーの間違いじゃないよな?」とは思ったけど(笑)

#5 12月12日(土) 京セラドーム大阪
22列目、今回のツアーで「世間一般的にはいいとされる」席が来たのだが、前も書いたけど僕以上にメタボ体型の方が最初から最後まで横ノリしてくれたおかげで、はみ出さざるを得なくなった僕が係員から注意を受ける羽目になり・・・
11公演中、印象は最悪。
断言するけど、もうミスチルを見に京セラドームには二度と行きません。
ただし、ひとつだけなぞが解けて。
たまたまこの日がワンピースの公開日だったのだが、あれのテーマが「仲間探しの旅」
そう、ここで「Monster」と「fanfare」がはじめてセットリスト上でつながっていることが解読できたという意味で、重要な一日だった。

#6 12月13日(日) 京セラドーム大阪
ライブ中寝てしまいました。
こんな経験初めてです。
ミスチルでよ?
なんつーか、どんな遠めでも、ステージ上の「気」みたいなものは感じるから、それを感じる限り眠くなるなんて事はないんだけど・・
「オーラ」みたいなものがまったくなかった。
名もなき詩じゃないけど、「君は誰?」みたいな・・・
あと、高いところだと、バックトラックが異様に聴こえてきて、小林武史がかなり曲中でピアノをたたいていることがわかった。
ただ、すごい曲の中でジャマなアレンジなんだよな・・・・・・・。

#7 12月19日(土) ナゴヤドーム
あたま2曲までは、大阪の「君は誰?」状態を引きずっていて、オーラどころか目の前で歌っているのが桜井和寿であるという事実さえピンとこなくて、アリーナのほうではだんだん進化するステージアクションにぎゃーぎゃー言ってるのはわかったけど、思わず「それは抜け殻だぜ?」と言いそうになった。
ところが。
「Worlds end」から急激に精気を取り返し、気の塊のような人がはるか下のステージで縦横無尽に動き回ってるのが、目線が切れても感じる。
声はあまり出ているようではなかったが、なんかうまくはいえないんだが、ツアーの芯が通った気がする。

#8 12月20日(日) ナゴヤドーム
前日の「寿司屋事件」のことはここで書いたけど、そのときに「なんでドームツアーのほうが、初めての人がたくさんくるんだから、なんでこんなマニアックなセットリストなんだ?」って疑問も解けました。
たまたま来てたのが福井の女の子だったんだけど、「ドームくんだりまでわざわざくるんだから、アルバムも持ってる熱心なファンがくる」という想定でセットリストを組んだ、まったく僕と逆の発想をしていたことがここでわかった。
謎が解け出すと、ツアーは急激に面白くなる。
幸いにも、今回のツアーで2番目に声が出ていた。
個人的に面白いと感じられたのは、スタンディングブロックの盛り上がり方が「これ、自分の考えと違う」ってのが結構多かったんだが、なぜか20日はアリーナにいた自分とシンクロできた。
「はじめてレゾナンスできた」って書いたのはそういう意味なんだけど・・
自分だけかな?そういう感覚・・・と思ってスタンドのほうもちらちら見てたんだけど、結構同じような感覚で楽しんでいるのかな?って感じだったから、一体感はあったよね。
ある意味、一番楽しかったかも。

#9 12月24日(木) 東京ドーム
WOWOWの生中継が入っていたせいか、歌詞は間違えまくるし、あんまりグダグダになられても困るんですけど・・・
それもありかな、と思っているのかな?
思っているなら、それもありだろ、と思う。
あと、「豊年満作〜空」から14年ほどミスチルのツアーには行ってるけど、初めて、ホントに初めて、桜井和寿のMCで笑った。
MC上手くなったねぇ・・・・ホントに・・・(しみじみ)
あとは、言葉は悪いが、「「観客側にすり寄っている」というなら、12月24日に何を望んでいるのかわかってるよな?」って思っていて、どんな回答を出してくるのか興味深く見ていたんだけど、その回答が唯一セットリスト上に追加された曲だったわけで、ホントに、珍しく、聞き手にやさしいグループになったなぁというか。
めっちゃめちゃベタだったけど、こういうのも悪くないよね、というか。
ここで、尖っていない今のミスチルに対して、まったく違和感がなくなった。
今回のセットリスト上、すべての歌の解釈に「未来に希望を持つ」ってところで共通項を見出したことに、9公演目にして気がつく。
あと、今回、音響はいい。
東京ドームに限らず、全会場音はよかった。

#10 12月26日(土) 東京ドーム
大阪初日同様遅刻。
より正確に言えば、「Simple」に間に合えばそれでいい・・・って仕事の抜け方をしてきたので、前半を最初から捨てにかかっていたわけだが。
今度は終わりの解釈。
初日で「GIFT」が終わった後、よっぽど時間で巻きが入っていたのか、さっさと終了して客席から早く外に出したいという印象が強く、実に気分の悪い終わり方になってしまったので、福岡2日目、札幌、大阪初日、大阪3日目、名古屋初日・・・と、「GIFT」を聴かないまま撤収する・・・というパターンを貫いていた。
実のところ「and I Love you」で抜けてもツアーの解釈としては成立してしまうので、意味がわからないなぁ・・・と思っていたら、ここでまたひとつ謎が解けた。
東京ドームは他の会場と違い、アリーナも専用出口から退場させるので、すべての座席において、規制退場がかかってもどの席よりも早く抜けられる。
また、途中抜けしても、止めるようなまねはしてこない。
そう思いながらセットリストを見比べてみると・・・・
どっちで退場してもいいつくりになっていた。
え・・・・・、こんなところで小細工してたのかよ!!!!
アジな気遣いだねぇ、と。
あとは、これも中盤からの参戦だったから確証はないけど、24日のように歌詞を間違えることもなかったし、やっぱり土日なんで、盛り上がり感はあった。
ちなみに、となりに座っていたおねいちゃんがよく跳ぶ・跳ねるので、なんかほかのミュージシャンのライブに来ているような錯覚を覚えてしまったが、嫌味じゃなかったので許す(笑)

#11 12月27日(日) 東京ドーム
もう後ろがないから、すべての曲で絶叫してましたね、桜井さん。
シャウトしまくる、ギター弾きまくる、ステージを縦横無尽に駆け巡る39歳になってようとは、誰が想像したっけな・・・昔は。
で、あとがないから、楽器隊も「壊すなよ」ってくらい力こめてたけど、ちゃんとバランスとれてたから、それがバンドの成熟の証なのかなぁ・・・なんて。
開演前に、「612ページは職人気質」管理人のたーくんと色々お話はさせていただきましたが、「アリーナツアーとap bank fesにこられなかった人々の救済ツアーだったんじゃなかろうか」という見方をしていたんだけど、確かに後半だけ見れば、「ap bank fes」全国版かなあ?って見方も出来るし。
あとは、東京ドーム3日間の感想としては、2階のスタンドのお客さんがアリーナ並みに盛り上がっちゃってたこと。
これは、ヤフー、札幌、京セラ、ナゴヤではなかった光景なので、確かにレゾナンスはしていたし、狙っていた効果はあったんじゃないだろうか。
自分的には、ツアーは12月24日で終わっちゃっていたんだけど、延長戦を見てる感覚で「すっきり」したかな・・・