北欧はどうなんだ

エコな町作りで脚光 スウェーデン・マルメ 再生可能エネ 転換“成功例”
スウェーデン第3の都市マルメは、風力や太陽光発電を利用して環境に配慮した町作りを進めている。地球温暖化が国際的な共通課題となる中で、化石燃料の消費から再生可能エネルギーの利用への転換を図る北欧の港町の取り組みは国際的にも注目を集め、投資や人口流入をも促している。(マルメ 岩田智雄)

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デンマークの首都コペンハーゲンから車で45分。かつて造船所があった市北西部のウエスタンハーバー地区(1・6平方キロ)では、2年後にオープン予定のショッピングセンターを建設する槌音が響いていた。
1989年、マルメでは造船会社コッカムが撤退した。前後3年間で3万人が職を失い、失業率は22%にまで跳ね上がった。
重厚長大産業への依存からの脱却を迫られたマルメは、「知の町」への転換を図ることを決め、復興を支える大きな柱の1つに「野心的な環境目標を持った持続可能な開発」(マルメ市担当者)を据えた。
具体的に取り組んだのが、風力や太陽光発電など再生可能エネルギーのインフラ整備だ。
エスタンハーバーから3キロの地点に風車を建設し、地区内に新たに建てた100棟のビルには総面積1400平方メートルにもなる太陽光パネルを設置した。予算は約1億ユーロ(約135億円)。財源は4分の1を政府が補助し、残りは開発業者が負担した。
最初に開発した全体の6分の1ほどの地区で、電力源や熱源に100%再生可能なエネルギーを充てることに成功し、1000戸に化石燃料を一切使わない電力を供給している。光熱費は、30〜40%安く済む。
マルメの人口はここ数年、年間約5000人ずつ増加しており、28万5000人。ウエスタンハーバーには、IT産業やサービス業が進出し、21社が7000人を雇用している。
市は「マルメは自然環境保護や社会、財政といった面から見て持続可能な開発が行われる場所として投資先に選ばれてきた」と分析した。
街の住居棟に目を向けると、屋根に植物が植えられた家がある。10年ほど前から「緑の屋根」事業を推進しており、屋根の上に植物層を置くことを奨励しているからだ。断熱を高める効果があり、公共建築物を中心に設置が進んでいる。
事業を推進するスカンディナビア緑の屋根研究所の指導監督者、ルイス・ルンドバーグさんは、「熱中症の死者が減り、町の美化にも寄与している」と話した。
スウェーデンが加盟する欧州連合(EU)は2020年までに1990年比で温室効果ガスを20%削減すると表明している。総エネルギー消費量に占める再生可能エネルギー源の割合は、現在の9%から20%に増加させなければならない。マルメには、欧州各国、さらに中国や北朝鮮などから年間計4000人の視察者があるという。
産経新聞 - 10月22日7時56分)

風力発電の電磁波問題がどうなっているのか、非常に興味がありますね。
問題がないことが検証できれば、一気に進むでしょうし。