政治家も空気を読むことは必要だ

渡辺行革相 助け舟なく 「突破」裏目、町村長官にはメンツ潰され…
独立行政法人(独法)改革は福田康夫首相の「裁定」で21日に決着したが、渡辺喜美行政改革担当相の「孤立」が目立った。関係各府省に改革案を押しつけ、反対すれば「抵抗勢力」と批判−。その手法に「霞が関」だけでなく関係閣僚や自民党が反発するのは想定内のことだったが、「突破力」を期待した安倍政権とは違い、「協調重視」の福田政権ではかえって裏目に出たといえる。(岡田浩明)
渡辺氏は21日の記者会見で、国土交通省所管2法人の首相裁定で独法の整理合理化計画が固まったことについて「私にとっては若干不十分」と感想を述べ、複雑な心境をみせた。ただ、「百点満点とはいかないが、ぎりぎり合格点はいただける」とも強調し、「首相と町村信孝官房長官が最終局面で登場していただいたのは大変ありがたかった」と、あくまで官邸サイドを立てた。
行政改革は「霞が関」にとって天下りをはじめとする既得権を奪われかねないだけに、これまでは関係者による周到な事前の「根回し」が欠かせないとされていた。しかし、渡辺氏は根回しをしないまま「正面突破」を敢行、閣僚折衝が難航すると「政治家としてリーダーシップを発揮してもらいたい」とする首相の発言を繰り返してきた。こうした手法に「霞が関」や関係閣僚が反発し、町村氏との連携不足も表面化した。
19日には、町村氏と冬柴鉄三国土交通相を交えた会談で、町村氏が都市再生機構などの扱いをめぐり独自の改革案を提示、冬柴氏が受け入れたため、「行革相がその場で突然、案を聞かされるのはおかしな話」と食ってかかる一幕もあった。


「私の存在が相当、厄介なものに扱われてきた」
21日夜に出演したTBSラジオの番組では、閣僚折衝が難航したことを振り返り、不満をこのように漏らした。
しかし、自民党は一様に「ひとりで走りすぎた結果、官邸からもはしごを外された」(党行革推進本部幹部)と冷ややかだ。首相も、17日に渡辺氏から独法改革の中間報告を受けた直後、町村氏に対し「あれでは、できるものもできなくなる」とぼやいたという。
産経新聞 - 12月22日8時2分)

知るか。