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アメリカの猛反対を撥ね付けてまでロシアに向かう安倍首相の「勝算」
(現代ビジネス 2月27日(土)7時1分)


アメリカも驚いた安倍首相の固い意思
安倍晋三首相は、5月の大型連休中の4月28日〜5月7日まで欧州歴訪の旅に発つ――。
これまで外務省と各国外交当局との事前折衝によって、安倍首相は英国、フランス、イタリア、ベルギー、ドイツ、ロシアの順番で各国を訪れ、キャメロン英首相、オランド仏大統領、レンツィ伊首相、トゥスクEU大統領メルケル独首相、プーチン露大統領と会談することが内定していた。
ところが、EU残留を目指すキャメロン首相は、自ら率いる与党保守党内の「反乱」によって厳しい政治局面に直面し、日英首脳会談の日時確定ができなくなってしまった。英国はEU離脱の是非を国民に問う国民投票を6月23日に実施する。しかし、キャメロン後継最有力候補のジョンソン・ロンドン市長が2月21日、反旗を翻しEUからの離脱支持を表明したのである。
加えて、英国では5月5日に統一地方選がある。キャメロン首相は今、統一地方選挙国民投票対策でアップアップ状態にあり、外交に目を向ける余裕がない。従って、日英外交当局同士による交渉が中断、安倍首相が訪問する国々の順番の決定には時間を要する。
確定しているのはプーチン大統領との会談だけだ。5月6日、ロシアの保養地ソチにある大統領別邸で行われる。
安倍・プーチン会談については、2月23日夜、時事通信が速報で〈オバマ米大統領は9日の日米首脳電話会談で、安倍首相が予定しているロシア訪問に対して懸念を伝えた〉と報じた。ソースは、在日米国大使館政治部とされる。
それはともかく、翌日の新聞各紙朝刊も「米大統領、訪ロ自粛を促す―9日の電話会談、首相は方針変えず」(日本経済新聞)、「首相訪露にオバマ氏懸念―9日電話会談、延期求める」(読売新聞)と報じた。
安倍首相がオバマ大統領に「日本にとってはロシアとの平和条約も大事だ。ロシアと対話を続けていくべきだ」と応じた、と読売報道にあるように、安倍首相の対露アプローチは不退転である。
そもそも安倍首相は、昨年4月の日米首脳会談でもオバマ大統領から同様の対応を受けていたのだ。2014年3月のロシアによるクリミア半島併合に端を発したウクライナ情勢が深刻化して、オバマ大統領主導で欧米の対ロシア経済制裁が発動された。以来、オバマプーチン両首脳関係は悪化の一途を辿っている。
そうした中で、安倍首相はオバマ大統領が求める対露交渉中断を撥ね付けたのである。安倍・オバマ会談に同席したライス大統領補佐官(国家安全保障担当)は、全く想定していなかった安倍首相の言辞に驚き、瞬時言葉を失ったほどであった。
◆目指すは「2020年、2島返還」か?
では、安倍首相が目指す対露政策とは、いったいどのようなものなのか。そのゴールはもちろん、1956年の日ソ共同宣言以降、歴代の首相(政権)が何度も試みて実現できなかった日露平和条約締結と北方4島返還である。
歯舞、色丹、国後、択捉4島の一括返還にリアリティがないのは自明である。択捉島は現在、島全体が軍事基地化されている。国後島もロシアの企業だけでなく中国や韓国資本が進出しており、残念ながら早期の返還は難しいと言わざるを得ない。
そこで北方領土問題進展の可能性を考えると、想起されるのが、プーチン大統領が首相時代の2012年3月に、外国メディア編集長との懇談で発言した「引き分け」である。
道家を自任するプーチン氏は「この状況において、我々は受け入れ可能な妥協に達しなければならない。それは『引き分け』(日本語で)のようなものである」「共同宣言には、どのような条件で島々が引き渡されるのか、島々がどの国の主権の下に置かれるのかについて何も書かれていない」と語っている。
妥協可能なのは、所謂「2島先行返還」であると語ったに等しい。ここがキーである。
来る5月の安倍・プーチン会談で、プーチン氏の10月日本公式訪問が合意を見て、プーチン氏来日時に、たとえば2020年4月までに平和条約締結と2島返還で一致できれば、それこそ日本は「戦後レジームからの脱却」を果たすことになるのだ。
プーチン・ロシアは当然ながら「リターン」を求めている。東シベリア・極東開発への日本の協力である。だからこそ、原油価格下落による経済減速に歯止めがかからないロシアの現状から、安倍首相は、チャンスは今年しかないと判断しているのだ。

それでも、返還の見込みは低い。
アメリカ一辺倒じゃないという意思表示と思ったほうが正しいんじゃないのか。

これが韓国

慰安婦問題、議論は継続=韓国高官
時事通信 2月29日(月)19時40分)
韓国の趙兌烈外務第2次官は29日、ソウルで開かれたセミナーで、慰安婦問題に関する日韓合意に関し「政府レベルの外交問題として妥結したものだ。人権問題、教育問題という面では満足できない部分も多い。日本が歴史を直視しなければ、今後、公開の場で政府もいくらでも討論を続けることができるし、民間団体も不満を提起できる」と述べた。

つまり、外交なんていくらでも反故にするつもりなんだろう。

予期された弱体化

なでしこ、まさかの3失点で黒星発進 前半2失点、大儀見弾で1点返すも…
スポニチアネックス 2月29日(月)21時31分)


リオデジャネイロ五輪アジア最終予選 日本1―3オーストラリア(2016年2月29日 金鳥スタ
女子サッカーリオデジャネイロ五輪アジア最終予選は29日、大阪市内で開幕。4大会連続の五輪出場を目指すなでしこジャパンは、初戦でオーストラリアに1―3で敗れ、まさかの黒星発進となった。
10日間で5試合を戦う過酷なスケジュール。FIFAランク4位の日本に対し、オーストラリアは9位だが、日本が準優勝した昨夏の女子ワールドカップ(W杯)カナダ大会では準々決勝で対戦し、途中出場のFW岩渕が後半42分に決勝ゴールを決めて1―0で辛勝した相手だ。
たやすく勝てる相手ではない。それが前半から最悪の形となって現れた。日本は前半25分、右クロスをFWデバンナに頭で決められ先制を許すと、不運な形で2点目を失った。佐々木監督が2トップの一角で先発させていたFW大野に代えてFW横山を投入した、そのわずか1分後の前半40分だった。MF阪口の自陣でのパスが主審に当たり、方向が変わったボールを拾われてカウンターに持ち込まれると、最後は走り込んだFWヘイマンにスルーパスを右足で決められた。
前半でまさかの2点ビハインドとなった日本は前半終了間際の47分、MF中島の左から右へのサイドチェンジをMF川澄がつなぐと、オーバーラップしてきたDF有吉が中央へマイナスのパス。これを受けた阪口の右足シュートを、最後は大儀見が左足で押し込んで、1―2で前半を終えた。
前半ロスタイムに大きな1点を挙げた日本は、何とかして追いつきたいところだったが、次の1点が入ったのはオーストラリアだった。後半33分、右クロスをMFゴリーにフリーで頭を合わされて痛恨の3失点目。同39分、佐々木監督は昨年W杯での対戦で決勝ゴールを決めた岩渕に加えて川村も同時投入したが、結局3失点が重くのしかかり、悔しい初戦黒星となった。
大会は6チーム総当たりのリーグ戦形式で行われ、まさかの黒星発進となった日本は3月2日に韓国、4日に中国、7日にベトナム、9日に北朝鮮と対戦。上位2チームがリオデジャネイロ五輪への出場権を獲得する。

日本は弱くなっている。
間違いなく。

HIVをやっつけろ!

HIVの細胞間感染の仕組み解明 熊本大など研究班 新薬開発に期待
西日本新聞 2月29日(月)13時53分)


熊本大エイズ学研究センター・国際先端医学研究拠点施設と理化学研究所などの研究班は、エイズ後天性免疫不全症候群)の原因ウイルス(HIV)が細胞から細胞へと感染拡大するメカニズムを解明した、とする研究成果をまとめた。
HIVは、CD4陽性細胞とマクロファージという2種類の免疫細胞に潜り込んで増殖しながら、免疫細胞の破壊を繰り返すとされる。マクロファージの場合、感染したマクロ細胞から別のマクロ細胞へ伸びる極小の管を通じて侵入を繰り返すルートと、感染したマクロ細胞の外に出て別のマクロ細胞に侵入するルートがあることは知られていた。
研究班は、感染したマクロ細胞から極小の管が伸びる過程を分析。通常はマクロ細胞内に均等な濃度で存在するタンパク質の一種が、HIVに感染するとマクロ細胞の上方に集まって高濃度になり、管の形成を促進する働きをしていることを確認した。
化合物約6800種類の中から、管の形成を阻害する化合物を見つけて投与すると、管を通じた感染は抑制できたという。マクロ細胞の外からの感染は止められなかった。今回の研究の論文は米科学雑誌「Journal of Immunology」電子版に1月16日付で掲載された。
CD4陽性細胞においても極小の管を通じた感染ルートがあるとの報告があり今回のマクロ細胞での研究成果が、CD4細胞でも適用できる可能性がある。
◆「『薬が効かないHIV』の出現を懸念する必要がなくなる」
エイズ治療は、薬剤療法が発達し、発症をかなり抑えることができるようになった。一方で、体内でHIVが変異して治療薬に耐性を持つようになる「薬が効かないHIV」の出現が問題となっている。研究班の熊本大エイズ学研究センターの鈴伸也教授によると、現在の主な薬剤はHIVそのものを標的としているが、管形成を阻害する薬剤であれば、HIVの変異は起きないという。
鈴教授は「今回の研究成果に基づいて新薬の開発ができれば、『薬が効かないHIV』の出現を懸念する必要がなくなる」と意義を語る。ただし「マクロ細胞の外からの感染ルートと、CD4細胞におけるHIV増殖については、さらに研究が必要だ」と話す。さらにCD4細胞とマクロ細胞間の感染経路についても「存在し得る」としており、こちらの研究も求められる。

=2016/02/27付 西日本新聞朝刊=

じわじわ、その日が近づいているのかな。