やっとか。

あの「山手線新型車両」がようやく量産化へ
東洋経済オンライン 6月8日(水)16時15分)


営業運転開始からわずか2日で運行取り止めとなった、新型山手線車両E235系がいよいよ量産化される。JR東日本が6月8日に発表した。
E235系は山手線の次世代車両として開発された。車内の広告媒体としてデジタルサイネージ(液晶画面)を増やし、車いすやベビーカーだけでなく大きな荷物を持つ人にも便利なように各車両にフリースペースを設けた。技術面では次世代半導体素子SiCを採用し電力ロスを削減、潤滑や冷却で使用するコンプレッサ油を不要とするオイルフリーコンプレッサを採用した。
新型車両を大量生産する場合、まず量産先行車と呼ばれる車両を作って、その運行データを元に必要な改良を施して量産車の製造に取りかかることがある。E235系も量産先行車を作成した。昨年春に量産先行車1編成が完成し、試験運行を経て2015年11月30日から営業運転を開始した。
だが、ドア開閉を示すランプが正常に動かないなどのソフトウェアが原因と見られるトラブルが相次ぎ、翌12月1日には運転を見合わせた。その後、改修を終え、今年3月から営業運転を再開していた。
■ 49編成を投入
量産車は11両編成で49編成が製造される。2017年春から順次投入を開始して2020年春までに投入を完了させるという。昨年の量産先行車の報道公開時にはJR東日本の担当者が投入開始時期を3年後、つまり2018年春としていたので、1年前倒しされたということになる。世間を大きく騒がせたトラブルがあったわりには、量産に伴う改良点は少なかったのかもしれない。
JR東日本東京オリンピックパラリンピックのオフィシャルパートナーにも決定しているが、E235系への置き換えが完了する2020年春といえば、東京オリンピックパラリンピックの直前である。世界中からやってくる多くの観光客を自慢の新型車両で出迎えることになる。そのころには山手線のすべての駅にホームドアが設置されているはずだ。デジタル広告からホームドアまで最新技術満載の山手線に世界中が驚嘆するに違いない。
現在の山手線の主力であるE231系は2002年に登場。2005年に全車両が統一され、国鉄時代の1985年にデビューした205系電車は20年で置き換えとなった。今回は2020年までに全車両をE235系に置き換える計画のため、E231系は18年で置き換わることになる。
■ 中央・総武線にもホームドアの本格設置か? 
今回新造されるE235系は49編成で、すでに運行している量産先行車1編成を合わせて50編成となる。現在、山手線はE231系50編成とE235系1編成の計51編成が運用されているが、新型への置き換えで編成数は1本減少することになる。
E231系E235系に置き換えられる形で、順次、中央・総武緩行線向けに改造工事を行ない、継続して使用していくという。
なお、E231系の改造工事の内容として、「ホームドアにも対応できる保安装置等の車両改造」も行なうという。これは中央・総武緩行線にもホームドアを本格的に設置するということを意味するのか。興味はつきない。

少なくとも、駅構内の自殺者は減る気がする。