不治の病ではないけれど

がん10年生存率、全部位・病期58.2%−国がん・全がん協が初集計
(医療介護CBニュース 1月20日(水)0時0分)


国立がん研究センター(国がん、堀田知光理事長)は20日、全国がん(成人病)センター協議会(全がん協、堀田会長)の協力を得て初めて集計したすべてのがんの全臨床病期の10年相対生存率が58.2%だったと発表した。生存率が90%以上だったのは、甲状腺で90.9%だった一方、30%未満だったのは食道(29.7%)、胆のう胆道(19.7%)、肝(15.3%)、膵(4.9%)などだった。
この10年相対生存率は、全がん協に加盟する16施設で1999年から2002年にかけて診断治療した3万5287症例が対象。データ精度を高めるために良性腫瘍や上皮内がんなどを除き、自施設診断自施設治療と他施設診断自施設治療を解析し、診断のみの症例を外した。今回の10年相対生存率は、データ提出施設が限られているため、施設別の生存率は公表していない。
全がん協は、これまで5年相対生存率を算出してきたが、加盟施設のデータが出そろったことなどから、10年相対生存率の公表に踏み切った。で公開している。KapWebの開発者である千葉県がんセンター研究所の三上春夫所長は、10年相対生存率を算出する意義について、「がんという病気は、5年や10年で終わるものではなく、私たちは長い経過の一部を切り取って評価をしている。これにより、がんを長い経過でとらえることができる」と話している。
10年相対生存率が90%以上の甲状腺の症例数は505。全臨床病期の生存率は90.9%。病期ごとの生存率はI・II期が100%で、III期が94.2%、IV期が52.8%だった。一方、生存率が30%未満の膵の症例数は895。全臨床病期の生存率は4.9%。病期ごとでは、I期が29.6%でII期が11.2%、III期が3.1%、IV期が0.9%だった。

克服された病でもないのよね。