平和はいずこ

パリ同時多発テロ 「悪夢」再び、週刊紙本社襲撃から10カ月 治安対策にも限界 シリア空爆引き金か
産経新聞 11月14日(土)21時44分)

1月の連続テロから約10カ月がたったばかり。パリを再び「悪夢」(仏メディア)が襲った。オランド仏大統領はイスラムスンニ派過激組織「イスラム国」による犯行と明言し、イスラム過激派に狙われ続けるフランス社会の衝撃は大きい。仏当局は国内の治安対策を強化していたが、限界も浮き彫りになった。
イスラム国というテロリスト部隊が犯した自由の国への戦争行為だ」。週末の夜を揺るがした多発テロから一夜明けた14日、オランド氏はこう強調した。
仏メディアによると、実行犯はイスラム国を標的とするシリア空爆への仏軍参加について批判もしていた。フランスは9月、シリア内戦や難民・移民流入問題の打開が見通せないのを受け、イラクに限定していた空爆をシリアにも拡大。それが今回のテロの引き金になった可能性がある。
だが、1月の連続テロ後も、6月に南東部リヨン近郊の工場で男性が射殺されるなどフランスではテロやテロ未遂が相次いでおり、シリアへの軍事介入だけが原因とはいい切れない。
1月のテロではイスラム教予言者ムハンマドの風刺画を掲載した週刊紙シャルリー・エブド本社、ユダヤ系食品店が襲撃された。今回の犯行は宗教色に加えて、若者を中心とした市民が多く集う場所が狙われ、大都市「パリ」そのものが標的とされた格好だ。
1月のテロの実行犯らはフランス生まれのイスラム教徒で、刑務所などで過激思想に影響を受けたとされる。欧州では「自国育ち」のテロリストがシリア内戦などに参加した後、本国に帰国し、テロを起こすことへの警戒が強まっている。
特にフランスはイスラム系住民が人口の約1割近くを占める一方、パリ郊外などに集まって暮らすなど社会に溶け込めずにいる人々も少なくない。歴史的背景から「政教分離」が徹底した同国では、公共の場でイスラム教徒の伝統衣装を着用することを禁じられるなど、こうした仏社会のあり方がイスラム国などの標的とされる恐れはある。
仏当局は1月のテロ後、軍兵士や警官ら計約1万5千人を動員して国内の警備や過激派の監視態勢を強化したが、治安分野の専門家らは監視すべき対象者の数が多く、対応の限界を指摘。バルス首相も「テロが起きるかどうかでなく、いつ起きるかの問題だ」と不安を漏らしていた。

どちらが正義で悪なのかは、わかるはずもない。
ただ、これだけはいえる。
テロ行為は憎しみを生み出すだけで、ほかに何もない。
命を奪うのは、やめてもらいたい。