とりあえず今のところ異常なし

<医療>失明危機防ぐ40代からの「眼科ドック」人気
近年増加傾向の、加齢と深い関係にある目の病気があります。緑内障や加齢黄斑(おうはん)変性で、日本人の主な失明原因にもなっています。初期段階では自覚症状が出にくく、進行するまで気づきにくい目の深刻な病気。きちんと知って、どのように対策を立てればよいのか、南青山アイクリニック(東京都)の戸田郁子院長に聞きました。【中村好見】
◇深刻な目の病気に気付きにくい理由
緑内障は、何らかの原因によって視神経に障害が起こることで、見える範囲が狭くなっていく病気です。障害者手帳の新規交付数から推察される、日本人の失明原因の第1位です。日本緑内障学会の大規模な調査によると、なんと40歳以上の20人に1人が緑内障にかかっており、推定される国内の患者数は約350万人に上ることが分かりました。ところが、患者の約9割が、自分が緑内障であることを知らない未診断の状態にあるという、驚くべき事実もこの調査で明らかになりました。
自分では気付きにくいのは、ほとんどの緑内障がゆっくりと進行し、視界の周縁部から欠けていくためです。人間は見たいものを目の中心で捉えるので、周縁部の視野についてはあまり気になりません。また、人間は片方の目の視野が欠けても、両目で見て視野を補い、脳で補正していることも自覚が遅れる原因になっています。「最近よく転ぶ」「すれ違いざまによく人とぶつかるようになった」「本や新聞が読みにくくなった」などの症状があれば、要注意です。
緑内障と同様に、高齢化により患者数が増加しているとみられるのが加齢黄斑変性。加齢により網膜の中心部にある黄斑に障害が生じ、見ようとするところが見えにくくなる病気です。早い人では40代でも発症します。欧米では中途失明の主な原因で、珍しい病気ではありません。日本でも近年、著しく増加しており、失明原因の第4位となっています。「ものがゆがんで見える」「中心が暗く見える」「ぼやけて見える」などの症状が出てきます。
◇早期発見、早期治療のために
視覚を失わないために何より大切なのが早期発見、早期治療です。緑内障は治療により進行を遅らせることはできますが、現時点では一度失った視野を取り戻すことはできません。自覚症状が出にくいですから、40歳になったら眼科で定期検査を受けることが必要です。また、加齢黄斑変性は最近まで治療法がなかったのですが、病気の型によっては、新たにいくつかの治療法が開発されて、視力の維持や改善が得られるようになってきました。だからこそ末期まで進行してしまう前に、発見することが重要です。
そこで最近広がってきたのが、眼科ドック。40代から定期的な受診がお勧めです。一度受けて何も問題がなければ、その後は数年おきで構いません。問題があれば、毎年受けて経過観察してください。実は眼科ドックで分かることは、目の病気だけに限りません。網膜は、体の中で実際に血管を肉眼視できる唯一の場所です。その血管から脳や心臓の状態を推測でき、脳梗塞(こうそく)や心筋梗塞、糖尿病などのリスクが分かるのです。
◇全身のアンチエイジングに関わる目の健康
人間は知覚の8割以上を視覚、つまり目に頼っていると言われ、障害が起きるとその人のQOL(生活の質)を著しく損ないます。また、ある程度の年齢になると、気持ちはその人の健康を左右します。例えば白内障の手術をした人にアンケートを取ると、全身の健康状態が改善されたと答える人が多かったのです。よく見えるようになると「運動をしてみよう」「美容に気をつかおう」「何かに挑戦してみよう」と相乗効果で若返ってくるのでしょう。
毎日新聞 7月12日(日)10時30分)

失明しかけたんだよな・・・・・そういえば。