新たなる謎

山形大ナスカ研が新たな地上絵発見 市街地近くに24点のリャマ確認
南米ペルーの世界遺産「ナスカの地上絵」の解明に挑む山形大人文学部付属ナスカ研究所(所長・北川忠明学部長)は7日、ラクダ科のリャマとみられる地上絵24点を新たに確認したと発表した。過去に見つけたリャマ17点と同じ地区で発見し、数十点の地上絵が集中して描かれている場所は他に例がないという。市街地から近く宅地開発で破壊される危険性が高いことから、同研究所は保護の重要性を訴えている。
昨年12月から今年2月にかけて現地で調査した。確認した場所は、ナスカ市街地から1.5キロほど離れたアハ地区にある丘の斜面。24点は全長5〜20メートルほどで、丘の小石を面的に取り除く手法でつくられていることから、時期としては紀元前400〜同200年ごろのパラカス後期と推測できるという。
同研究所は13年度の調査により、同所で17点のリャマの地上絵の存在を明らかにしている。計41点が同じエリアに描かれていることを確認し、7日に記者会見を開いて説明した副所長の坂井正人教授は「これまでの地上絵は人里離れた所で多く見つかっており、居住地の近くに描かれていることは、今回の結果が分かるまでは意識されていなかった」と説明した。
山形大は今年4月にペルー文科省と特別協定を締結し、地上絵の情報共有や保護活動を展開。今回の情報は報告書にまとめ、既に同国に提出している。今後、現地で同様の活動に当たっているイタリアの調査団と合同で講演会を開き、地上絵の価値を発信する計画。坂井教授は「現場近くには鉱山関係の作業場がある上、市街地が拡大する見込みとなっている。保護地区に指定して守っていく必要がある」と強調した。
山形新聞 7月7日(火)19時55分)

新発見は、さらなる謎の発見でもある。