効果なし?

命名権ビジネス明暗 大阪府立体育会館、名前戻る
■「元祖」神戸、契約は途切れず
命名権ネーミングライツ)の契約によって「ボディメーカーコロシアム」との愛称を冠していた大阪府立体育会館大阪市浪速区)が、4月から元の正式名称に戻っている。年間2500万円の契約料を支払っていた企業が「費用に見合う広告効果が得られない」と継続を拒否したためだ。府は契約料を1800万円に値下げして別の企業1社と交渉中だが、思わぬ「空白期間」が生まれた形で、命名権ビジネスの難しさが浮き彫りになった。
◆「広告効果がない」
大相撲春場所の会場として使われることでも知られている大阪府立体育会館。府は歳入増加策として命名権の売却先を募集し、平成24年4月から今年3月までの3年間、スポーツブランド用品・アパレルの製造販売会社「BB−SPORTS」(同府吹田市)との契約に基づき、同社のブランド名(BODYMAKER)と競技場(COLOSSEUM)にちなんだ「ボディメーカーコロシアム」の名を冠した。契約料は年間2500万円だった。
だが、同社は「あくまで『愛称変更』のため、メディアやイベント主催者は正式名称を使うことが多く、会社の知名度向上などにつながらなかった」として、府教育委員会による契約継続の打診を断った。
そこで府教委は年間契約料を1800万円に値下げして再募集。今月1日から21日の募集期間中に別の企業1社が応じており、条件面などの協議が整えば、来月中にも新たな愛称でスタートを切るという。
実は、府教委が命名権値下げをするのは3回目。初めて売却を検討した20年は年間5千万円で募集をかけたが、応募なし。22年に同3500万円で再チャレンジしたが再び応募がなく、24年に同2500万円まで下げて、初めて契約にこぎ着けた経緯がある。
◆老朽化の負担軽減
有料の「命名権」という言葉も定着し、契約料を下げても、各地で自治体が契約締結に苦労するケースが増えている。しかし契約料は下げているものの、見通しが“明るい”ケースもある。プロ野球オリックス・バファローズが準本拠地を置いている神戸市だ。
同市は「グリーンスタジアム神戸」の愛称で親しまれていた神戸総合運動公園野球場(同市須磨区)について日本で初めて命名権を募集。平成15年から年間計1億円超で「Yahoo!BBスタジアム」と命名された。23年2月からは、持ち帰り弁当店などを運営する「プレナス」と契約、「ほっともっとフィールド神戸」に変わった。
オリックス大阪近鉄バファローズと合併し、神戸での試合数は大幅に減少、契約金額も現在は年間3600万円になったが、プレナスは今年2月、さらに4年契約を締結。同社の広報担当者は「契約以降、店舗数が関西圏で約3倍になった。野球は人気の高いスポーツで、認知度が高くなり、店舗が出しやすくなったことなどを考えると、命名権の効果は大きい」と話している。神戸市の担当者は「古い施設は、老朽化で維持費も高くなるが、命名権契約により負担が軽減される」と評価している。
産経新聞 5月26日(火)15時7分)

これが大阪城ホールだったら違うんじゃないの?