異次元の二人

イチロー、王に並ぶ1967得点!敬意払った?コメント残さず
マーリンズ3―2ナショナルズ(24日・マイアミ)
マーリンズイチロー外野手(41)が24日(日本時間25日)、本拠地でのナショナルズ戦で日米通算1967得点をマークし、王貞治(巨人=現ソフトバンク球団会長)の持つ日本プロ野球記録に並んだ。4試合連続でスタメン出場して5回に内野安打で出塁、その後、ホームを踏んだ。王氏へのイチロー流の敬意なのか、試合後はコメントを残さず球場を後にした。
派手なアクションはなかった。5回2死一、二塁。二塁走者のイチローは投手レイトスの打球がハーフライナーで中前に落ちると、迷わず三塁を蹴った。中堅手のダイレクト返球を横目に、悠々と本塁を駆け抜けた。表情を崩さず、淡々と日米通算1967得点目をマークし、王貞治の持つ日本プロ野球記録に並んだ。
「7番・左翼」で先発し、迎えた5回の第2打席。外寄り93マイル(約150キロ)速球をはじき返す遊撃内野安打で出塁し、逆転の口火を切った。レドモンド監督が「チームに大きな役割を果たしてくれている」とたたえた会見後。報道陣にクラブハウスが開放された時には、イチローはすでに球場を引き揚げていた。節目の数字を知らないわけがない。試合終了からわずか14分後の出来事。試合後もストレッチなどを欠かさない男の、極めて珍しい行動だった。
これまで王氏へは特別な尊敬の念を表してきた。06年の第1回WBCでは主軸選手として「(王代表監督に)恥をかかせるわけにはいかない」と必勝を期して臨み、世界一監督に押し上げた。この日は王氏と並んだことに適したコメントが見つからなかったのか。無言を貫くことで敬意を払ったのかもしれない。
1967回も本塁を踏み、勝利を目指してきたことは偉業以外の何ものでもない。“アシスト”した27歳のレイトスは「彼がここまで成し遂げてきたことを見れば、そういった伝説の選手を追う資格があるのは分かる。(自分の)あのひどい打撃が日本のニュースで何度も繰り返されるのは最悪だけどね」と苦笑しつつ、同僚の快挙を喜んだ。
この日、チームは腰の張りを訴えていたレギュラー左翼手イエリチを15日間の故障者リスト(DL)入りさせることを発表した。登録は20日まで遡り、復帰は最短で5月5日。それまでイチローはスタメンに名を連ねることになる。特別な人に肩を並べた、特別な感情は自分の胸にしまい、次の高みを目指す。
(スポーツ報知 4月26日(日)7時4分)

超人同士にしかわからないことがある。
それかもしれないな。