ラグビー復権?

「人気低迷」ラグビー日本代表に“満員御礼” 本物か、ここが正念場
人気低迷を叫ばれて久しいラグビーだが、来年2015年にワールドカップ(W杯)を控える日本代表が突然の活況に沸いた。
年内最後の国内での試合となった11月8日のニュージーランドマオリオールブラックス戦(秩父宮)は、終了間際までリードし18−20の惜敗。同カードの第1戦(2日、神戸・ノエビア)での21−61という大敗から立て直しができたことを証明した。だが、試合内容以上に驚かされたのはスタンドを埋めた観客だった。
日本協会は試合前日に入場券の「完売」を発表。実際の入場者は2万505人。昨年11月に来日した本家のオールブラックス戦は、同じ秩父宮で2万454人だった。マオリオールブラックスマオリ族の血を引く選手のみで構成されたチームながら、わずかに超えたことになる。最多で2万3000人収容可能なため満員御礼とはいかなかったが、協会関係者は「雨の予報だったことと、一部の招待者や企業がまとめて購入してくれた分が入らなかったのでは」と分析した。
実は2日の第1戦(神戸・ノエビア)では、同協会が集計を始めた04年以降で最多となる2万1234人が集まっている。入場料、スポンサー料、テレビ放映権料を合わせ「2試合で1億5000万円から1億6000万円の売り上げはあった」(協会関係者)という。
3年連続で赤字を計上している同協会にとっては、これ以上ない結果だ。日本は19年に日本開催となるW杯成功という至上命題がある。果たして、この活況はホンモノなのか−。
日本代表の入場者数は芳しくない。ことしも国内の試合で1万人を超えたのは、国立競技場の最後の試合として行われた香港戦(5月25日、1万6371人)と、秩父宮でのイタリア戦(6月21日、1万3816人)のみで平均1万人を割っている。
競技イメージから一体感がありそうだが、日本のラグビー界は微妙な関係の上に成り立っている。高校、大学、トップリーグ(社会人)、そして日本代表には明確な組織体系はない。
昨年、世間的にはあまり知られていないがラグビー界では画期的な出来事があった。花園で行われたウェールズ戦(6月8日)で、関西ラグビー協会の坂田好弘会長が「みんなで代表を応援しよう」と、練習試合の日程や時間をずらし来場することを呼びかけた。そのかいあって、2万人超の動員につなげたのだ。
8日のマオリオールブラックス戦でも、ささやかな協力があった。サントリーコカ・コーラが予定していた練習試合を午前に繰り上げ、選手たちもスタジアムに足を運んでいる。
地道なチケット販売の努力もあったが、マッチメークの影響が大きいことは否めない。ラグビー強国でなければ、これほどファンが関心を示したとも思えない。昨季も「日本代表というよりオールブラックスを見に来た」という意見があったのは事実。それでも、今季の日本代表がテストマッチ10連勝や初の世界ランキングトップ10入りを果たすなど、まずは来年のW杯に向け期待感が高まってきたという側面もある。
「次元が違うが、サッカー日本代表は憧れの存在」という日本協会関係者の声は切実だ。W杯で惨敗後も新チームの試合には人が集まり、スポンサー料もしっかり上積みされたサッカー日本代表は日本のナショナルチームの中ではとてつもない巨人といえる。
関係者は「19年のW杯までに代表戦のチケットが簡単に手に入らないようなプラチナになり、コンテンツとしての価値を高めたい」と意気込む。
サッカーをうらやんでばかりいても仕方がない。認知度を上げる努力、関心を呼ぶマッチメーク、そして何より来年のW杯でチームが勝利すること…。19年のW杯成功までにやるべきことは多い。
産経新聞 11月24日(月)10時5分)

地道な努力につきますよねぇ。
サッカーだって、プロ化までの地道な積み重ねがあってこそだと思いますし。