ついに世界記録

世界新マー君、開幕21連勝&シーズン25連勝
パ・リーグ楽天6−2オリックス、19回戦、楽天14勝5敗、13日、Kスタ宮城)ダブル世界新だ!! 楽天田中将大投手(24)が13日、オリックス19回戦に先発し、2失点完投で開幕21連勝をマークした。1957年に西鉄(現西武)の稲尾和久がマークした単独シーズンのプロ野球記録を56年ぶりに破り、米大リーグを合わせた“世界記録”を更新。また昨季からの25連勝も1936−37年にカール・ハッベルジャイアンツ)が記録した24連勝を76年ぶりに超えた。チームは優勝へのマジックナンバーを「12」とした。
いまや優勝を確信しつつあるスタンドから、記念プレートを掲げた田中に拍手が降り注ぐ。開幕21連勝、昨季から25連勝。投げるたびに記録を重ねる男は、声を張り上げた。
「失点は悔しかったけど、僕が一人で投げれば中継ぎ陣は休める。きょうは休養日です!」
ネット裏にはヤンキースレッドソックスダイヤモンドバックスなどメジャー8球団のスカウトが集結。立ち上がりから毎回のように走者を出したが、10安打を許しても、先頭打者の出塁は一度も許さなかった。
圧巻は五回だ。二死三塁のピンチで、安達にカウント2−1とボール先行。だが外角低めいっぱいへ149キロ、152キロ。気おされた安達はバットを動かすことさえできず、見逃し三振。気迫の投球で、直後の打線の援護を呼びこんだ。今季初めての無四死球完投で8三振を奪った。
球団は、田中が今季塗り替えた日米を合わせた「世界記録」をギネスブックに申請することを決めている。開幕21連勝に加え、昨年から25連勝とし、1936−37年にカール・ハッベルが記録し、ギネスブックに掲載されていた「24」を超えた。
仲間との別れがあった。9日に抑えのラズナーが右肘手術のため米国に帰国した。2009年から5年間で通算14勝40セーブを挙げた同僚が優勝目前、チームを離れる無念に、「本人が一番悔しいでしょう。5年間一緒にやってきて、人柄もよかったし、残念です」と惜しんだ。
右腕はこのまま退団する可能性が高い。だから田中は、帰国前日(8日)に「優勝のときに戻ってこられるなら、戻ってきてほしい」と声をかけた。ともに苦しい時期を乗り越えてきた。一人でも多くの仲間と歓喜の瞬間を迎えたい。エースの本心だった。
チームスタッフの協力なしではここまでこられていない」と、21連勝の手柄も独り占めせず、コンディションを整えてくれている周囲への感謝を口にする。故障も離脱もなく、シーズンを戦い抜く。残るレギュラーシーズンの登板は、順調ならあと3試合だ。
「記録を伸ばすためにはやっていない。日本一を目指している。まずはリーグ優勝です」
優勝マジックは12となり、最短Vは21日。カウントダウンが間もなく始まる。いまや世界規格の絶対的エースとなった田中は、メジャーのスカウトの視線にも、真っすぐ前を見つめた。「すごいなあ、ホンマ。それしか言いようがない。もう聞くなよ。今季は負けずに終わるよ」。星野監督の言葉は、もう、ジョークには聞こえない。
サンケイスポーツ 9月14日(土)7時0分)

すごいとしか言いようがありません!