枯れ過ぎ

<猛暑>東三河の水ガメ干上がる 宇連ダム貯水率3.6%
猛暑に見舞われたこの夏、東海地方も愛知県・東三河地方などで雨がほとんど降っていない。東三河の水がめである宇連(うれ)ダム(愛知県新城市)は貯水率が大幅に低下して、節水率が11年ぶりの水準まで強化されている。福祉施設の入浴が休止されるなど市民生活に影響が出ているほか、農作物の生育を懸念する声もあり、関係者はまとまった雨を期待する。
「10年間も施設に通っているが、こんなことは初めて。雨が降らないから仕方ないけれど、不便だね」。26日から高齢者向けの入浴サービスを休止した同県豊橋市の大清水地域福祉センターを訪れた主婦(76)は残念そうな表情を見せた。
宇連ダムを主な水源とする豊川用水は、豊橋市田原市など6市に水を供給しているが、ダムの貯水率低下で7月から節水を順次強化。今月26日からは節水率を水道用水25%、農業・工業用水30%に引き上げた。水道の節水率25%は2002年10月以来の水準だ。
各市は福祉施設での入浴休止のほか、小中学校のプールの使用をやめるなどの措置を取り、夏休みの子どもたちが水泳を楽しめなくなっている。配水の圧力を弱めたため、高台の家庭では水が出にくいところもある。
渇水で畑が乾燥し、東三河で生産が盛んなキャベツの苗が枯れるなどの影響も出ている。田原市六連町のキャベツ農家、伊原哲也さん(57)は「雨が少し降り、ようやく苗を植えられるようになったけれど、水不足は変わらない。今後の生育が心配だ」と空を見上げた。
宇連ダム周辺の6月以降の降水量は平年の36%にとどまり、ダムの貯水率は29日時点で3.6%に低下した。管理する水資源機構の担当者は「雨が降らないと9月上旬には枯れてしまう」と懸念する。
三重県・北勢地方も中里ダム(三重県いなべ市)の貯水率が低下。三重用水は7月25日から節水を開始し、水道、農業、工業用水でいずれも10%の節水を続ける。
一方、名古屋市などに水を供給する岩屋ダム(岐阜県下呂市)と味噌川ダム(長野県木祖村)は、6月下旬ごろからの豊富な雨で貯水率はほぼ100%を維持し、節水も行っていない。雨量の地域差について、名古屋地方気象台は「雨雲のコースなど偶然の要素が大きい」としている。
気象庁によると、日本に接近する台風15号は29日午前9時現在、沖縄県与那国島の北北西約90キロを北上しており、東海地方を9月1日未明に通過する可能性がある。水不足に悩まされる東三河地方の関係者は「災害にならない程度に雨が降るとありがたい」と台風の行方を見守っている。
毎日新聞 8月29日(木)14時51分)

両極端すぎる。