決まらない

日本政府、シリア情勢に慎重対処 「人道」方針策定の決め手
シリアの化学兵器使用疑惑をめぐり、米国とともに軍事行動も辞さない構えの英国が国連調査団の報告が出るまで軍事介入の判断を先送りした。報告は31日にも公表される見通しだが、アサド政権を擁護するロシアと中国は軍事介入への反対姿勢をあらわにしている。
米英仏が国連安保理による武力行使決議のないままシリアへの軍事介入に踏み切る可能性が強まる中、日本政府は「決議なき軍事介入」の過去の事例を参考に対処方針を策定する方針だ。1999年のコソボ紛争などでは相手国が停戦を求める安保理決議に反していることなどを根拠に支持を表明したが、今回はシリアの化学兵器使用に関する安保理決議もなく、難しい判断を迫られている。
菅義偉(すがよしひで)官房長官は29日の記者会見で、米国などがシリア攻撃に踏み切った場合の政府の対応に関し、「これからのことを申し上げる立場にない」と述べるにとどめた。政府高官も「軽々に対処方針を明かすべきではない」と強調した。
ただ、過去に米国や北大西洋条約機構NATO)が安保理での武力行使決議を経ずに攻撃に踏み切ったケースでも、政府は支持表明をしている。
◆過去には支持表明
イラク大量破壊兵器疑惑で98年、米英軍が空爆を行った際、小渕恵三首相(当時)は空爆開始当日に支持を表明。首相コメントも出し、支持の根拠として「湾岸危機の際の停戦条件を定めた国連安保理決議に対する重大な違反」を明記した。
99年のコソボ紛争をめぐるユーゴスラビアへのNATO空爆では、高村正彦外相(同)が談話で「和平合意案をかたくなに拒否し安保理決議に反した行動を取り続けている」ことを根拠に支持を表明。「犠牲者の増加という『人道上』の惨劇を防止するため」の攻撃であることも付記している。
◆マリ攻撃は「歓迎」
今年1月のマリ北部のテロリストや過激派に対する仏軍の攻撃は、マリ政府の要請に基づくものだったことを踏まえ、岸田文雄外相が日仏外相電話会談で「国際社会が一致してテロと戦う必要がある」と歓迎の意を伝えた。
米英仏はシリアへの軍事介入に向け、アサド政権による化学兵器攻撃が続けば犠牲者が増えることへの懸念を強調している。つまりコソボでの「人道上」という根拠と重なり、政府が支持を表明する際のポイントとなりそうだ。
産経新聞 8月30日(金)7時55分)

支持するにしてもしないにしても、難しいよなぁ。