対策はぬかりなく

「汗をかきたくない」は危険! 女性のための熱中症対策
■熱射病も日射病も「熱中症」です
熱中症」とは、暑さによって起こる体の障害の総称です。以前使われていた「熱射病、日射病、熱痙攣熱疲労熱失神」などの言葉は、すべて熱中症の細かい分類。英語をそのまま日本語に訳しているため、人によってイメージが違ったり混乱したりしやすいので、最近はすべて「熱中症」と一括りにして、その中で重症度を測ることが多いようです。
ちなみに「熱中症」は「熱」に「中る(あたる)」と書きます。英語では「heat stroke」。つまり「熱に打たれる、やられる」。言語は違えど同じ表現なのですね。
熱中症症状への対策法
・軽症……めまいやこむら返りなどの筋肉の痙攣
・中等度……頭痛、吐き気、嘔吐、強い疲労
・重症……意識障害、肝、腎機能障害
軽い場合はとにかく涼しい場所に移って衣服を緩め、首や脇、ふとももの付け根などを冷やして体温を下げ、できれば冷たい水を飲んで水分補給をしましょう。症状がひどければもちろん早めに病院へ。
岩盤浴も注意! 室内でも熱中症が起きる理由
体温調節に重要なのは、汗をかくこと。汗をかき、かいた汗が肌から蒸発することで体から熱が奪われ、体を冷やせるのです。ところが、窓を閉め切り湿度が高い状態では水分が蒸発せず、汗が体を冷やす働きが機能しません。さらに高齢の方は汗をかきにくいため、うまく体温調節できずに熱中症になってしまうのです。
湿度と気温が高い場所は、お風呂や台所、サウナ、車内などが当てはまりますが、特に高齢の方の場合は普通の屋内でも、湿度と気温が上がりすぎないように注意が必要。たとえば室温28度、湿度が60度以上にならないようにするなど、一定の目安を持つようにしましょう。最近は岩盤浴での熱中症の報告もありますので、岩盤浴好きな方も注意してください。
■女性は気付きにくい? 熱中症の意外な原因
熱中症予防にと冷たいものばかり食べるのは考え物。熱中症になってしまった場合は冷たい水分補給が有効ですが、そもそも人間の体で熱を下げる一番重要な機構は汗をかくことです。
つまり、普段から上手に汗をかけることも大事な熱中症対策になるのです。同じ理由で、夏の体の不調である夏バテにも、上手な汗かきは有効。発汗作用のあるスパイスの効いたカレーや、たんぱく質の多い焼肉をフーフーいいながら食べるのは、あながち間違っていないのです。
「むくむのがいや」「メイク崩れしたくないから汗をかきたくない」と意識的に水を飲まないようにしていたり、露出の多い季節だからとダイエットで食事量を極端に減らしている女性は特に注意が必要。脱水症状を起こしやすいので、気をつけるようにしましょう。
また、夏風邪などで下痢や発熱が起きているときは特に脱水を起こしやすいので注意が必要。若いからといって無理はせず、体がだるいと感じたときは、適宜休息を取ることも大切なのです。
■水分補給のポイントは塩分・糖分の同時摂取
汗をなめるとしょっぱいことでもわかるように、汗と一緒に塩分も体から出ていきます。大量に汗をかいたときに水だけ飲むと、血液の塩分濃度が薄まってしまい、必要な分の水分が補給できません。0.1〜0.2%の食塩と、糖分を含んだ水分が有効とされているので、できればスポーツドリンクなどで補うようにしましょう。
また、運動量が多いほど糖質が必要とされますが、スポーツドリンクが甘くて飲みにくい人や、子どもや高齢者、また脱水症状が疑われる方には、「OS(経口補水液)」という、より体に吸収されやすいよう工夫された、糖分とミネラルバランスのよい飲料も売られていますので、そういったものもお勧めです。
(All About 8月16日(金)12時30分)

あ、ポカリが飲みたくなってきた・・・・