次回の丑の日は8月3日らしい。

ウナギの完全養殖 実用化向け研究進む 「餌の謎解明」幼生の9割生育
日本人に親しまれてきたウナギとマグロが近い将来、食べられなくなるかもしれない。生息数の激減で漁獲や取引の世界的な規制強化が確実視されているからだ。そんな状況を打開しようと、政府は天然資源に頼らない完全養殖の大規模な商業化を平成32年までに実現する方針を決定、国を挙げた研究が進んでいる。
国際自然保護連合(IUCN)は7月、乱獲で激減しているニホンウナギを、絶滅危惧種としてレッドリストに載せるか本格的な検討を開始した。クロマグロは22年のワシントン条約締約国会議で国際取引の全面禁止が提案され、日本などの反対で否決されたが、漁獲量管理の厳格化を求める国際世論は強まっている。日本の食文化を絶やさないためには養殖が不可欠だが、天然の稚魚を育てる普通の養殖は、結局は天然資源の動向に左右されてしまう。抜本的な解決策は成魚から採卵して人工授精し、また成魚に育てる完全養殖の実用化だ。
ウナギの完全養殖は22年、水産総合研究センター横浜市)が世界で初めて成功した。ただ、卵から幼生のレプトセファルス、稚魚のシラスウナギ、成魚へと育てる養殖サイクルのうち、幼生は餌が不明なため9割以上が死んでしまい、実用化には至らなかった。
だが、鍵を握る餌は昨年、東京大のチームが解明。太平洋で採取した幼生を調べ、プランクトンの糞(ふん)や死骸が餌だったことを突き止めた。最近の研究で、鶏卵やヤマメの精巣も餌になることが判明し、幼生は約9割が育つまでになったという。チームを率いた塚本勝巳日本大教授は「飼育の大規模化が課題だが、完全養殖の実用化は確実に実現に近づいている」と話す。
クロマグロの完全養殖は、14年に近畿大水産研究所が世界で初めて成功した。すでに成魚を市場に出荷しており、養殖用として体長約30センチの稚魚ヨコワも年間4万匹生産している。
価格はまだ天然の約2倍と高く、低コスト化が課題だが、宮下盛所長は「完全養殖ヨコワを使うことが養殖の主流になれば解決するだろう」と自信をみせる。
水産総合研究センターは今年6月、長崎市の陸上に直径20メートルの水槽2基を備えたクロマグロ完全養殖の研究施設を建設した。近畿大のような海上のいけすより水温や日照時間の管理が容易で、安定的な産卵・育成が可能という。28年度に年間10万匹の完全養殖を目指しており、大量出荷への道筋が見えてきた。
産経新聞 7月27日(土)16時12分)

うなぎの代わりが鶏とか豚とかなんて、絶対変ですよ。
うなぎがうなぎとして、食べられますように。