バテていませんか?

過信は禁物! 熱中症を招く「かくれ脱水」とは?
■自覚なき脱水症状? かくれ脱水とは
人間の体内にある体液は、たくさんの水分とさまざまな成分で形成されています。人の体の中の水分量をご存知ですか? 何と大人では体重の60%、子どもで70%が体液なのです。
体液の多くは水分ですが、塩分なども含まれています。体液が不足した状態を「脱水」と呼びます。体内の水分が少なくなり、脱水で体に症状が出る状態が「脱水症」です。そして意外と知られていませんが、症状が出ない状態の脱水もあり、「かくれ脱水」と呼ばれています。
脱水の症状は程度によってさまざまですが、倦怠感、しびれ、脱力感から痙攣、意識障害まで起こりますので、脱水症を侮ってはいけません。
■脱水状態で起こる症状
体内の水分を失っていくとさまざまな症状が出てきます。体重に占める水分減少率の割合と共に、起こる症状は以下の通りです。
・体重の約2% → のどの渇き
・体重の約3% → 強い渇き、ぼんやりする、食欲不振
・体重の約4% → 皮膚の紅潮、イライラする、体温上昇、疲労困憊、尿量の減少と濃縮
・体重の約5% → 頭痛、熱にうだる感じ
・体重の約8〜10% → 身体動揺、けいれん
熱中症予防のためにも大切な水分補給
脱水症と熱中症は、体液減少が関係する部分で共通点があります。高温多湿の環境では汗が乾きにくいために、体温を下げるシステムが作用しないので、体温が上昇してしまいます。また、水分が不足すると、汗の分泌が減りますので、さらに体温が高くなります。これが熱中症です。
体温を下げるシステムが働くと、汗をどんどんかきますので、脱水症の危険が出てきます。つまり、熱中症と脱水症に対しては、水分補給と共通した治療を行うことになります。
熱中症の場合は体温上昇が起こりますが、軽度の熱中症の場合は脱水症と同じですので、脱水症を防ぐことは、熱中症予防につながります。
のどの渇きを感じた時点ではすでに体重の2%の水分が失われていますので、その時点から対策をすることが必要です。
■かくれ脱水対策で上手に熱中症予防!
かくれ脱水は自覚症状がありません。今日はあまり水を飲んでいないけど、のどが乾いた感じはしないし、まだ大丈夫……と思うことが一番危険です。何事も過信、慢心ほど、怖いものはありません。
熱中症が重症になると命に関わりますので、のどの渇きを少しでも感じたら、塩分を含む水分を補給しましょう。体は丈夫だし、スポーツもしているし、今まで熱中症になったことが無いから大丈夫と思っているのであれば、危険です。今まで無いから今後も無いとは言い切れません。
最近は平均気温が上昇しています。1965年には東京の年平均気温は14.6度でしたが、2004年には17.4度まで上がっています。日本は多湿ですから、気温が上がると、それだけ熱中症の危険度も上がります。昔より熱中症になりやすいのです。
熱中症の予防で一番大切なのは、自分の体の状態を知ることです。自覚症状がなくても、こまめな水分補給を心がけましょう。
(All About 7月22日(月)9時30分)

結構思い当たること、ありません?