なぜスタバだけ?

好調スターバックス、次なる狙いは郊外客
スターバックス コーヒー ジャパンの業績が絶好調だ。2013年3月期決算は営業利益97億円と2期連続で過去最高を更新した。日本マクドナルドホールディングスや牛丼の「すき家」などを運営するゼンショーホールディングスなど大手外食チェーンが軒並み減益となった中で、その好調ぶりは際立っている。
さらに、日本国内にあるスタバは3月末で985店舗に増えており、今年中に1000店舗を上回ることが確実視される。本拠地である北米以外で1000店舗を超えるのは日本が初めてだ。
「(日本に進出した)17年前のあの日、誰がこの状況を想像しただろうか。日本の成功がなければその後の海外展開もうまくいかなかった」と米スターバックスハワード・シュルツCEOは言う。
好調の要因は既存店での購入客数の増加だ。12年3月から14カ月連続で前年を上回って推移している。
「コーヒーだけでなく、店内環境やパートナー(アルバイトや従業員)の接客などスターバックスでの総合的な体験が受け入れられている」とスターバックス コーヒー ジャパンの関根純CEOは話す。特に「従業員には店舗と同じ意気込みで投資をしている」(北川徹・戦略・ファイナンス統括オフィサー)というほど、教育には力を入れている。昨年は全国に約100人いる営業統括者全員を米国研修へ送り出した。
ドリップコーヒーで300円からと決して安くはないが、米国流のおしゃれで居心地のいい店作りがあらためて見直されているのだ。無料で使える無線LANの設置や一人席を増やすなどしていることで、ビジネス客も多く取り込んでいる。
もちろん、それだけではない。売り上げを牽引しているのが、コーヒーや果汁をミックスした氷菓飲料であるフラペチーノだ。昨年夏に販売したプリン入りのマンゴーパッションティーフラペチーノは、もともと期間限定商品だったが、人気に火がつき、予定よりも早く完売した。
また、冬場でもチョコレートブラウニーやさくらホワイトチョコといった新商品を投入。暖房が効いているショッピングセンターなどで売り上げを伸ばしている。
フラペチーノは400円以上とドリップコーヒーよりも単価が高く採算がよい。競合他社からは「スタバはコーヒーを売っていない」とやっかむ声も上がる。
■ ドライブスルーで攻勢
スタバはこれまで都市部を中心に出店してきたが、さらなる成長へ向けて、今後は郊外へと軸足を移す。大きな成長の柱として見込むのが、前期から本格的な出店を始めたドライブスルーを併設した大型店だ。
足元の販売は好調で、スタバの平均的な店舗の年間売上高が1億円程度なのに対し、ドライブスルーの店舗は3割程度売り上げが高い。売り上げに占めるドライブスルーでの持ち帰り比率は4〜5割に上るという。4月には、新しい業態の店を住宅地へ実験的に出店。スタバでは初のアルコールを提供するなど、着々と布石を打っている。
ただし、ライバルたちも黙っていない。全国に約500店を展開する名古屋発祥のコメダコーヒーが郊外でも勢力を拡大しているほか、ドトール・日レスホールディングスは「星乃珈琲」という新しい業態を開発し、今期は30店を出店する計画だ。ほかにも、セブン-イレブンやローソンなど大手コンビニエンスストアがいれたてコーヒーの販売を強化している。
はたして、スタバの勢いはどこまで続くのか。競合ひしめく中、熾烈な戦いが繰り広げられそうだ。
(週刊東洋経済2013年6月1日号)
東洋経済オンライン 5月27日(月)6時00分)

まあ、なんとなくスタバは静かなイメージがありますけどね。
それもかな。