盛者必衰

同じ過ちを繰り返したメッシ。必然だったバイエルン戦での完敗
■高さを生かしバイエルンが優位に
23日、チャンピオンズリーグのベスト4、バイエルン・ミュンヘンバルセロナの一戦が行われ、4-0でホームのバイエルンが勝利した。
マンジュキッチを出場停止で欠くバイエルンは、1トップにマリオ・ゴメスを起用。一方、プジョルをケガで欠くバルサは、センターバックに予想通りバルトラを使ってきた。前線は、ビジャをベンチに置き、左からアレクシス・サンチェス、メッシ、ペドロを並べた。
得点シーンはバルサの弱点である高さをバイエルンが突いた格好だ。25分、コーナーキックのこぼれ球をミュラーが拾ってロッベンに渡すと、ふわりとしたセンタリングを上げる。中でダンテが競り勝ち、最後はミュラーが押し込んだ。
49分にも、ロッベンコーナーキックを蹴ると、ボールはファーで待つミュラーへ。ダニエウ・アウベスに高さで勝ち、中に折り返すと、ゴメスが左足で豪快にボレーを蹴り込んだ。
バイエルンはその後も手を緩めることなく、73分にはカウンターからロッベンがドリブルでエリア内へ侵入。ジョルディ・アルバが倒れた隙を突いて、得意の左足で流し込んだ。
ゴールショーはまだ終らない。82分、アラバが左サイドから低いクロスを上げると、足をつって交代する直前のミュラーが中で上手く合わせダメ押し。バイエルンが圧巻の4ゴールでバルサに完勝した。
■課題を克服出来なかったメッシ
ボールポゼッションでは63%と上回ったバルサ。ただこれは、ディフェンスラインでのパス交換が多かったがために数字上、多くなっただけだ。バルサらしい“ティキタカ”はほとんど見られなかった。
バイエルンは、最終ラインまで追いかけての守備はせず、ボールを受ける側へはきっちりとマークを付けてきた。シャビやブスケッツを厳しくチェックすると共に、DFがパスを出しにくいように、パスコースを塞いでいた。
シャビはボールをもらうために下がらざるを得なくなり、必然的に中盤は数的不利になってしまった。バイエルンとすれば、後ろで回している間は怖くない。ビルドアップしてきたときに人数をかけてしっかりと奪えばよかったのだ。
バルサもそれに気がついていたはずだが、中央で孤立したメッシがサイドに逃げてしまっていた。人の少ないサイドであればボールをもらえるが、ここでメッシがボールを持ってもさほど脅威にはならない。
シュバインシュタイガーが献身的にマークしていたためだが、メッシはベスト16のミラン戦でも同じ過ちを犯している。コンディションの問題もあるだろうが、彼には我慢が必要だった。自分が中央にいればシュバインシュタイガーをはじめ、DFは中央へ集中する。そこで薄くなったサイドを味方が使うことも出来たはずだ。
この日のアリアンツ・アレーナは芝の状態もよく、水も撒かれていた。バルサにとってはやりやすい環境だったはずのピッチで4-0の敗戦。ただでさえ体の大きなドイツ王者がひときわ大きく見えたのは、バルサの選手が試合から消されてしまったからではないか。
かつて栄華を誇ったバルセロナ帝国の崩壊は着実に始まっている。それを実感させるのには十分過ぎる完敗だった。
フットボールチャンネル 4月24日(水)10時30分)

バルサを一蹴したのが、そのバルサ帝国を築いたグァルディオラ率いるバイエルンってぇのが笑える。