それで優勝できたら・・・

“ワケあり”選手を次々獲得! オリックス“ちょいワル補強”の狙いとは?
今年のプロ野球ストーブリーグで、積極的な動きを見せたのがオリックスソフトバンクから馬原(まはら)孝浩、阪神から平野恵一、巨人から東野峻(とうのしゅん)、そして、日本ハムから糸井嘉男(よしお)、八木智哉と、実績のある大物を次々と獲得したのだ。
でも、ちょっと待った。馬原、八木はともかく、ほかの3人はいずれも前所属球団で問題を起こした“ワケあり”の選手ばかり。
まず、昨年11月に交換トレードで加入した東野。
「2010年に13勝を挙げ、その翌年には開幕投手も務めたほどの投手。ただ、彼は私生活の態度を問題視されていて、例えば、原監督が禁煙を勧めても、『禁煙するのも信念なら、たばこをやめないことも信念』と聞き入れなかった。そのせいか、11年後半から不振が続くと、あっさり見切りをつけられた。このトレードは“煙たがられ放出”と呼ばれていますね」(スポーツ紙デスク)
続いて、10年、11年と2年連続でベストナインゴールデングラブ賞を受賞した経歴を持つ平野。
「ここ1、2年はチームメイトを公然と批判するなど、完全に問題児でした。特に昨年7月、FA権を取得して最初の巨人戦の試合前に、東海大学の先輩である原辰徳監督に挨拶に行き、笑顔でグータッチしたこと。それだけでも虎ファンの神経を逆なでする行為なのに、その翌月の試合でベンチの采配を無視して本塁へ悪送球。逆転負けを招いた。シーズン後の契約交渉でも2000万円ダウンの年俸1億7000万円(推定)提示を不服とし、球団幹部ともめていました」(スポーツ紙デスク)
最後は12球団ナンバーワン外野手の誉(ほま)れも高い糸井。
「もともと『超天然』『宇宙人』と呼ばれるほど個性的な性格の選手なのですが、今季は契約交渉でごねにごね、挙句、メジャー移籍を直訴。頭を抱えた日ハム首脳陣がトレードを突きつけた格好です」(スポーツ紙デスク)
それにしても、なぜ、オリックスは他球団が二の足を踏む選手ばかり獲得したのか? それでチーム内がギクシャクしたら元も子もないのに。
スポーツ紙のオリックス番記者がこう明かす。
オリックスグループは来年で創業50周年。そのため、グループを率いる宮内義彦オーナーから優勝せよと厳命が下っています。そこでフロントも、とにかく力のある選手をなるべくお値打ち価格で獲れないかと動いていたのが次々と当たり、結果的にイケイケな感じになった(笑)」
実際、3選手ともかなりのお値打ち価格で獲得している。
「平野は阪神の提示額より2000万円も安い年俸1億5000万円(推定)。糸井も日ハムで保留していた年俸2億円(推定)でサイン。東野に至っては誰が見ても不均衡な交換トレードで獲得できた。ワケありだろうが、オリックスにしたら万々歳のストーブリーグですね」(オリ番記者
この“ちょいワル補強”で、今季は4年連続Bクラスを脱出してAクラス入り。さらに創業50周年の来季は、その余勢を駆って日本一というのがフロント陣の描くシナリオらしい。でも、そんなにうまくいくのか?
「人気球団とはいえないオリックスのメディア露出は少ない。だから、ちょいワルな行動をしても記事にならないし、糸井らものびのびとプレーできるはず。森脇浩司監督も調整型の人で、個性豊かな選手たちをうまく使いこなすでしょう」(オリ番記者
ってことは、本当に来季、オリックスは優勝を狙える?
「ひとつ心配なのは、今季、主力選手が好成績を収め、こぞって移籍しかねないことです。糸井はまたメジャー移籍を言い出すでしょうし、馬原も今年7月にはFA権を取れるので、シーズン終了後に古巣のソフトバンクに戻るかもしれません。2年契約が終わる打点王李大浩(イデホ)も今季さらに活躍すれば、巨人や阪神から札束攻勢を受けるかもしれない。つまり、チームの3、4番打者、抑えのエースが抜けるかもしれないのです。そうなれば、来季は優勝どころではない。最下位転落もあり得る」(前出・スポーツ紙デスク)
ちょいワル補強は吉と出るのか、凶と出るのか。
(週プレNEWS 2月8日(金)10時10分)

ま、Aクラスは操縦次第では行くでしょうけど。
そんな簡単に行かないところがプロ野球の面白いところで。