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日本発“針なしホチキス”急成長 コクヨなど改良、海外でも驚きの声
針を使わないホチキスの市場が急成長している。10年以上前からある商品だが、最近になって改良が進んだ上、環境に優しいこともあって需要が急増している。
さらに10月、都内で開かれた国際通貨基金IMF)・世界銀行年次総会で各国関係者に配布されたことをきっかけに世界的な認知も広まった。文具各社は海外展開も視野に入れた新商品の開発を競っており、“日本発”の新しい商品文化の発信に期待が高まっている。
「針なしホチキス」の市場に火が付いたきっかけは、業界最大手のコクヨが、2009年12月に発売した「ハリナックス」シリーズの大ヒットだ。従来品は3、4枚の紙をとじるのが精一杯だったが、ハリナックスはとじる力を強化することで、最大10枚を可能にし、需要が急拡大したという。
針なしホチキスは、とじ込む場所の前後2カ所に切れ目を入れ、U字型にくりぬいた一方の紙の束を、もう一方の穴に織り込むことで紙をとじる仕組み。ハリナックスは、紙に穴を開ける刃を改良することで、従来品に比べ、紙をとじる際に生じる摩擦による紙の負担も軽くできるとじ方を開発した。
価格は5000円台と高かったが、子供や女性も使いやすい1000円以下のハンディータイプを売り出すと、さらに売り上げは拡大。今年8月末現在までに、325万個を販売する大ヒットとなった。
針がないことで、安全面に気を使う子供のいる家庭での人気が高まった。さらに、オフィス需要でも、異物混入を嫌う食品工場のほか、紙の再利用のための分別が容易だという環境面に配慮する企業のニーズも高まり、「予想以上の売り上げとなった」(コクヨ)という。
同業他社も相次いで新商品を投入。プラスは今年8月、子供や女性が使える小型版で、業界で初めて500円を下回る低価格の新商品を発売したほか、オフィス機器大手のマックスも11月19日に新商品を発売する。
さらに追い風となりそうなのが、10月に東京で開催されたIMF世銀総会で「針なしホチキス」が高い評価を受けたことだ。業界関係者によると、各国政府のオフィスに針なしホチキスが配布され、海外の関係者から「革新的な商品」と驚きの声が上がった。
針なしホチキスの国内市場規模は、業界推計で従来のホチキスの約3割に当たる約15億円にまで拡大している。昨年までは1割にすぎなかったが「今後は国内外で販売が伸びる」(コクヨ)。さらに、IMFの“支持”で、世界展開の可能性も開けており、各社は海外での販路拡大も視野に新商品の開発を急いでいる。
SankeiBiz - 11月19日(月)8時15分)

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