どこまで整理できるか

女の園」でタクトふる「王子」デキる男は仕事も帰宅も早い 
【わが社のオキテ】
営業職員をはじめとして女性が従業員の9割前後を占める生命保険業界。いかに女性従業員に活躍してもらうかが各社の業績を大きく左右する。そんななか、最大手の日本生命保険には「王子」と呼ばれる男性管理職が続々と誕生。女性が働きやすい職場づくりに指導力を発揮している。
WLB。「ワーク・ライフ・バランス」の頭文字を並べたこの3文字が、現場から草の根運動で風土改革を行ってきたニッセイの職場の重要なキーワードになっている。歴史をひもとくと、早くも昭和23年に5代目社長が「1人1人が全能力を発揮するには、平和で幸せな生活を送らないといけない」と、WLBの重要性を説いていたほどだ。
日本生命の社内イントラネットをみると、家族思いで知られる本社資金グループの男性課長Tさん(43)が、「ワーク・ライフ・バランス(WLB)王子」の1人として紹介されている。
WLB王子とは、WLBが「早く帰れるからラク」という誤解を払拭するため、仕事がデキる男性従業員を指名するものだ。T課長は「ラクどころか、早く業務を済ますのが大前提なので、逆に厳しい」と、WLB布教の先頭に立つ。
王子は、女性が働きやすい職場づくりをボトムアップで進めるため、人事部の下に平成20年に新設された「輝き推進室」が指名する。これまでに7次にわたり51人が選ばれた。山内千鶴室長(55)は「輝き推進室の活動に男性も巻き込むための取り組みです」と説明する。
T課長のWLBな1日をのぞいてみた。午前5時に起床。シャワーを浴びた後は1時間かけて朝刊を読み、読書にふける。6時半から家族そろって朝食を食べ、8時に自宅を出ると、健康のため皇居の周りを40分歩いて出社する。メタボに悩むヒマもない。
肝心なのは退社時間で、午後6時の定時を守る。その後、家族とともに有楽町で宝塚歌劇を鑑賞したり、9時にはお気に入りのイタリア料理店で一家そろって夕食をとり帰宅する。実に優雅な1日だ。
T課長は「欧米に追いつけ追い越せ、と長時間働けばいい時代ではなくなった。成果が時間と比例しない」と話す。WLB王子になったことで「仕事に汲々(きゅうきゅう)とするのではなく、生活に幅ができた」という。
T課長が「王子」に選ばれたのは、資金グループは「女の園」生保会社のなかでも女性が多い職場での実績が認められたからだ。夫が単身赴任中で2人の子供を育てながら勤務する女性もいた。2人目を出産するときに夫の転勤が決まったが、T課長は「こういう母親も働ける職場にしたい」と強く感じたという。
その熱意がグループ内に波及したのか、「(出産、復帰は)順番よね」「お互いさま」「自分たちも将来そうなるかも」という考え方が広がり、この女性は産休・育休を経て復帰した。
「復帰後、仕事が効率的になり、退勤時も仕事を周りに頼むのではなく、きちんと終わらせてから帰る」とT課長は舌を巻く。周りに迷惑をかけているという負い目から職場にいづらくなって退職してしまう…。こうした負のスパイラルを絶つことに成功した。
また、輝き推進室は昨年10月から今年1月にかけて、昼休みを利用して本社の課長を集めた「丸の内課長塾」を開催。参加者同士のディスカッションをはじめ、問題解決法やコーチング演習に取り組んだ。「それぞれの悩みの本質は同じだということが分かり、心強くなった」と参加したT課長。山内室長は「みな以前の成功体験が通用しにくい悩みがある。課長同士の横のつながりを主体的に強化してほしかった」と話す。
ニッセイの目指すWLBは育児にとどまらない。山内室長は「今は育児ばかりクローズアップされるが、これからは男女を問わず親の介護のための休暇の取得が課題になる」と次を見据える。
団塊の世代」が75歳を迎えるピークとなるのが10年後の平成34年といわれている。その子供世代の「団塊ジュニア」は、ちょうど管理職を担う年代と重なる。介護の問題は避けて通れない。
「1人1人が自分のこととしてWLBを捉えてほしい」。WLB王子が増えていけば乗り越えられるはずだ。
産経新聞 - 4月21日(土)15時28分)

だとすれば、それは会社としての取捨選択ができているからだと思う。
そんなビジョンもない会社じゃ、「これはやる・これはやる必要がない」の個人が抱える仕事の合理化さえおぼつかないでしょう。
個人の努力だけでは、やっぱり限界があるんでね。