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<メタボ健診>非肥満でも指導…腹囲で判断、根拠薄く
メタボリックシンドロームに注目した特定健診(メタボ健診)の健診項目見直しについて、厚生労働省の検討会は28日、13年度以降の健診について、肥満ではなくても血圧などが高めの人への指導を確実に実施することを求める中間とりまとめに合意した。腹囲が必須の現行基準は科学的根拠が薄いと批判が多く、「肥満と血圧、血糖値、血中脂質を同列に扱い、肥満の有無で指導内容を変える方法もある」との提案も出された。現行制度の中で、どこまで非肥満者対策を充実できるかが新たな課題になりそうだ。
厚労省検討会、中間とりまとめ合意
08年度に始まった特定健診は、腹部肥満が生活習慣病につながり、脳卒中脳梗塞(こうそく)などの脳血管疾患、心筋梗塞などの心血管疾患を発症させるとの考えに基づき、肥満対策を柱に据える。
だが、肥満と脳血管・心血管疾患の関連が薄いとの報告が相次いで公表され、肥満ではなくても、血圧や血糖値などが基準を超えると脳血管・心血管疾患が増えることが明らかになっている。
昨年12月、大橋靖雄・東京大教授らがまとめた論文では、全国の男女計約2万人を約7年にわたり追跡したところ、脳血管疾患の発症に血圧や血糖値は深く関与したが、肥満の有無は関係なかった。厚生労働省研究班(研究代表者=門脇孝・東京大教授)が男女約2万8000人を約9年追跡した結果でも、血圧などが基準を超えると、腹囲と関係なく脳血管・心血管疾患の発症率が高まった。
メタボ対策は高齢者医療確保法に盛り込まれ、腹囲計測は制度の根幹をなす。検討会の中間とりまとめでは、「腹囲(計測)の是非を検討するためデータ集積を進める」との記述にとどまり、制度の抜本見直しにつながる法改正には踏み込まなかった。一方、検討会では「腹囲を他の項目と横並びにし、指導内容を工夫すれば、腹囲が突出している印象が薄まる」との提案もあり、賛同する意見が多かった。
◇受診率低迷も深刻
特定健診の受診率低迷も深刻だ。10年度の全国の受診率は43.3%と、政府が掲げる全国目標(70%)には、ほど遠い。中間とりまとめでは、慢性腎臓病の検査を追加することも盛り込んだが、「そもそも肥満ではない人は、『自分は大丈夫』と受診しようとしない」(和歌山県白浜町)など、見直しの効果は未知数だ。
特定健診では、禁煙指導が徹底されていないという課題もある。07年の日本人の死亡原因を解析した東京大などのチームの論文によると、肥満が原因の死者が約2万人に対し、喫煙は約13万人とトップだった。中間とりまとめに禁煙対策の強化も盛り込まれたが、中村正和・大阪府立健康科学センター健康生活推進部長は「そもそも肥満第一ではなく禁煙第一こそ、日本人に必要な対策」と訴える。
毎日新聞 - 3月28日(水)21時31分)

わかっていたって、多忙すぎたら受けに行く暇ないですもん。