大切なのは場所じゃない

<寄席>上野・本牧亭、幕末からの歴史に幕
講談専門の寄席として江戸時代末に開場した本牧(ほんもく)亭(東京都台東区)が24日、閉場した。最後となったこの日は、講談師で人間国宝一龍斎貞水さん(72)らが口演。40人も入ればいっぱいの狭い会場を埋め尽くしたファンが名残を惜しんだ。
本牧亭は1857(安政4)年、上野広小路に開場。空襲による焼失、移転などを経ながら、講談の寄席として多くの名人が活躍した。02年に現在の場所に移転後、定期的な講談の興行と日本料理の店として親しまれてきた。経営する清水孝子さん(72)によると、建物の契約上の問題や後継者がいないことなどが閉場の理由という。
この日、昼の部の高座に上がった貞水さんは1955年の初高座、66年の真打ち昇進披露も本牧亭だった。「本牧亭は高座に上がってしゃべるだけでなく、講談の世界に生きている人間が修業し、成長していく場所だった。自分の中にある“本牧亭”を後輩に伝えていくのが、講談を守っていくことにつながる」と思いを語った。講談の会も場所を移して続けていくという。
毎日新聞 - 9月24日(土)18時59分)

なくなっちまうのは残念だけど、スピリットさえ継承していけば、「本牧亭」はどこにでも存在するんだと思うし、そっちを大切にしてほしいです。