この際やめちまいたい

たばこ値上げで禁煙挑戦者急増
10月からたばこのほとんどの銘柄で1箱110円以上の値上げが実施され、禁煙挑戦者が急増している。禁煙外来に喫煙者が殺到して医療用の禁煙補助薬が不足する事態が起きているほか、薬局・薬店では禁煙補助商品が売れ行きを大きく伸ばしている。半面、日本たばこ産業(JT)はたばこ販売の急激な落ち込みに危機感を募らせている。
「10月に入り、禁煙補助薬があっという間になくなった」。こう話すのは、東京・日本橋の「中央内科クリニック」の担当者だ。同クリニックの禁煙外来には10月に入って2週間で、9月下旬に比べて倍以上の新規患者が詰めかけた。
しかし、現在は禁煙外来の新規患者の受け付けを見合わせている。処方する禁煙補助薬が間に合わないためで、担当者は「患者はせっかく決心してやってきたのに、断るのは非常に残念」と嘆く。
禁煙外来で主に処方される禁煙補助薬は、米製薬大手、ファイザーの「チャンピックス」。これを含めた受診者の自己負担額は1万2千〜1万8千円程度だが、1日に1箱ペースの喫煙者なら1カ月分のたばこ代程度で収まってしまう。禁煙成功率も6割程度と高い。
ファイザーは8月まで毎月約7万人分のチャンピックスを供給していたが、9月は約17万人分、10月に入ると6日時点ですでに約8万人分を供給しているという。同社はこのまま供給し続けるのは困難と判断し、12日以降、新規患者向けの「スターターパック」の供給を停止。治療中の患者への供給は継続できるが、供給体制が完全に整うのは来年1月という。テレビCMも自粛している。
一方、医療用と違って医師の処方がいらないOTC(一般用)医薬品の禁煙補助薬や禁煙補助商品の売り上げも伸びている。スイス製薬大手、ノバルティスファーマの禁煙補助薬「ニコチネル」は9月の出荷が前月比で3割増え、同社は「10月はそれ以上ではないか」とみる。禁煙補助商品を手がけるマルマンでは、「禁煙パイポ」の10月の売り上げが出荷ベースで前年同月の2倍以上で推移している。
Tは、今年10月から来年9月までの販売本数が前年同期より25%減ると予測しており「壊滅的なダメージになる」と危機感をあらわにする。禁煙挑戦者がこのまま増え続ければ、減少幅はさらに大きくなる可能性もある。
産経新聞 - 10月27日(水)21時6分)

JTが傾くのは時間の問題か?